海外の文化遺産修復にODAが使えれば
 2016年3月の文化遺産コンソーシアムにおける発表の中で、青柳長官は、ピークの1997年度に年間1兆1000億円を超えていた日本の政府開発援助(ODA)予算が今年度は約5500億円まで半減した事を指摘し、「道路や港湾ばかりでなく、現地が求める文化財の保存や修復にも使えるようにする必要がある」と話していたけれど、確かにその通りだと思う。文化庁が使える予算は結局のところ、調査や研究に縛られていて、修復の予算には使えない。文化遺産を通じた国際貢献は強く求められ、かつ費用対効果の大きい事業。しかし、道路やダムには、もしくは新規の博物館をつくることにODAつぎ込む事が出来ても文化遺産の修復にはそれを使用する事ができない。この状況は、多々困難なことはあれど改善していく必要があると強く感じる。
[2016/03/18 00:15] | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
伝建制度の40年シンポ案内
伝建制度が創られたのは1975年で、その頃は開発の波が地方を襲い、その脅威から歴史的町並みを保護する地元からの運動が伝建制度に結実した。今では、開発の真逆の問題、つまり空き家が問題になっている。伝建制度ではこの空家問題には本質的に取り組むようにつくられていない。かつては町並みの景観は保護するという時代だったが、これからは「景観を保護」だけではなく「景観を創っていく」時代。伝建に登録された時期でステージは異なるが、これからは最小限の介入ですませるのではなく、積極的な介入を行なうという腹づもりが必要だろう。

もちろん、予算をもっている文化庁独自で守れるような類いのものでは当然なく、省の区分けだけでも国土交通省、総務省、経産省など協力していく必要があるだろう。実際に文化庁が伝建事業に使っている予算は2015年で年間12億円ほど。(ちなみにクールジャパンの関連予算のうち、クールジャパン・コンテンツの海外展開等の促進(経済産業省、総務省)だけで年間170億円!)文化庁は予算的にいって、まったく他省の事業予算とは比べ物にはならない。現在、伝建地区に経産省や総務省が地域創生枠組みでお金を出そうとしている。協力を望むけれども、文化庁はこれまで伝健は自分達が守ってきたという自負心もあるだろうから、心情的にはなかなか難しいのだろうか。

 伝健地区に約40年間指定されてきた地区もあれば、最近指定された地区もある。伝健を取り巻く状況も、それぞれの地区が抱える問題も多様化している現在、もう少し柔軟に伝建制度を考えていく事も大事だろう。変えるのか、付け足すのか、別の制度を入れるのか、登録時期によって分類するのか。伝建制度はそろそろ次のステージに入っていくべき時期にあると思う。
http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/denken40.html
[2016/02/20 23:47] | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
「日本明治の産業遺産群」の登録に当たっての雑感

 韓国が「日本明治の産業遺産群」の反対をしていたが、これに対し、日本は諮問機関ICOMOSが「登録がふさわしい旨」を勧告したのだから、専門家の意見に従うべきだと述べていた。
 「どこの口がそんな事を言えるんだろう?」
 2年前、いくつかの産業遺産は適切な保護体制が出来ていないとして、日本イコモスの専門家は世界遺産への推薦は時期尚早であるとして反対していたのにも関わらず、内閣が独断で「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産への推薦を決めた。都合の良い時だけ、専門家(イコモス)の名前を利用する。プロフェッションの軽視だ。今回の世界遺産への登録に関しても、日本イコモス委員会は蚊帳の外に置かれた。
 世界遺産委員会が迫っている現時点で、産業革命遺産が世界遺産に登録されることを望まないわけではないけれど、これまでの経緯の検証が必要。世界文化遺産を政治の道具にしたのは日本であり、将来に渡って世界遺産登録の流れに禍根を残した。しかも、軍艦島など、登録される文化遺産を今後どのように保護していくかは決まっていない。世界遺産制度にとっても、そして、日本の文化財保護制度にとっても望ましい形で進んでいない。
 登録後にお祝いモード一色になるけれど、マスコミは今回の産業革命遺産の登録によって、世界遺産の制度そのものの意義が軽視されることを報道してほしい。

 日韓併合やら、当時日本人だった方々が遺産で働いていたことが本来主題になるべきではなく、世界遺産制度を使う事によって、他の日本の文化財制度にも悪影響を与える事は避けたいということの一点のみ。僕は、単体では世界遺産に出来ないのだけれども、ストーリーを語る上で重要な遺産を世界遺産にするというものを「ストーリー遺産」と勝手に呼んでいる。産業革命遺産で語っているストーリーには1940年頃の出来事は関係ないのは確か。 世界遺産の登録はもはや度重なる政治的な横やりによって、登録するためのノミネーションファイル(理由付け)は曲芸の技になっている。 もう、どうも関係の無いところで隣国と日本が争っているのが、正直、「なんだかなぁ」という気分になる。

世界遺産は、世界遺産を通じて「人類が平和に暮らせるように」という理念をもつ。言いがかりであれ、なんであれ、争いを生むぐらいなら世界遺産にすることはないというのが一般論だろう。文化遺産の存続に問題がないのであれば、世界遺産に登録しようがしまいが、文化遺産の価値も変わらないので。
[2015/08/17 01:26] | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
外国人観光客を迎えるにあたって
2020年の東京オリンピックに向けて、外国人へのおもてなしをどうするか様々な取り組みがなされています。外国人観光客を日本に迎えるに当たって、英語の案内や行政による店主向けのガイドブックなども配られているようです。
 しかし、そんなものより、すぐに効果がありそうなのは日本の店主のiphoneにgoogle翻訳のアプリを入れてあげる活動だろう。google翻訳アプリはオフラインでも、他言語入力によるOCR+音声自動入力+自動翻訳で大体のことはできる。この使い方の講習をしてあげた方が効果的。パンフレットを使って読むか読まれるかわからないものを作りより、人が各お店に訪れて説明する方がいい。このような説明員に話すだけで、もっともっと効果的なことができる。



 それよりも言葉以上に問題な、文化の話や日本特有のルールを飛行機の中で読める本や、面白く理解できるビデオを流したりというほうが足りてないかなと思う。
 外国人はなぜ、口を開けたままガムをかむのか、中国人は騒がしくゴミをあちこちに捨てるのか。。。。日本人はあまり彼らを注意できないので、日本に来たら日本のルールに従ってもらうように事前に説明したほうがいい。もちろん、日本人の中でもマナーのコンセンサスが必要だけれども。
[2015/05/05 18:10] | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
ISILの文化財破壊
ISILがイラク国内の貴重な文化財を壊し続けています。もちろん、文化財を壊すのはイスラーム圏の専売特許ではなく、ボスニアであろうが、エチオピアの民族間の争いでも起こります。
 文化財は誰のものなのか?世界遺産であれば、人類全ての遺産として位置づけられるけれど、もしも所有者である国が壊すとしたら?地元の人間が壊すとしたら?その疑問に答える論理構築と、世界的な保護ネットワークを作り上げなければならない。壊すぐらいなら横流ししてお金に換えてもらった方がまし。
 壊すのは一瞬ですが、修復には長い年月とお金が掛かります。現場で細かく丁寧に、膨大な労力を掛けて作業する修復家の姿を思うと、やるせない気持ちになる。
 
https://www.youtube.com/watch?v=f2le2WzZgdY&noredirect=1
[2015/03/05 23:32] | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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