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書評【世界遺産 ユネスコ事務局長は訴える」松浦晃一郎
■世界遺産の政治的利用の内情が垣間見られる一冊

 著者の松浦晃一郎氏は日本人初のユネスコ事務局長であり、無形世界遺産を推進し、これを設立した人としても知られている。この松浦氏が世界遺産についての基礎知識を解説し、自分の体験談を記述している本。ただ、文章は練られておらず、図は自分が行った場所の写真が貼られている程度で、分かりやすい図もなく、教科書的な役割としては落第点の本。ユネスコ事務局長時代に原稿を書いているため、時間が余り掛けられていないのだろう。ある意味、仕方がない。

 この本で注目したいのは松浦氏が描く、界遺産を通じた政治的な判断や駆け引きである。世界遺産が学術的な文化財保存の論理よりも、政治的な判断が優先されることを直接は言わないまでも、実際はそうであることの内情を示している。
 世界遺産取得は政治的なゲームである。作業指針やノミネーションや世界遺産委員会、ICOMOSなどその基礎となるルールブックがあるという程度である。このルールを、守るではなく、参考にしつつ、全ては政治的に決定される。あくまで、世界遺産が存在することで世界が少しは、より「良い」方向に進むのであれば、ユネスコは世界遺産というツールを活用しようということだ。世界遺産を学べば、色んな所に矛盾点があることが分かる。しかし、そんな矛盾を考えること自体が無意味である。
 世界遺産に対して、文化的な価値の大小や論理性を求めること自体が無意味であることが読み取れる一冊。
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[2014/06/11 21:10] | 建築・都市コラム | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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