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読書メモ
藤沢道郎著 「物語イタリアの歴史 解体から統一まで」より

’’390年 快適な生活以外に何の信ずべき価値も持たない大衆ばかりになった。
人口の1/5を占めるに過ぎない少数はではあったけれども、キリスト教徒は自らの髪を固く信じ、劇場や闘技場の非人道的な娯楽を排し、命を賭して信仰を守っていた。自分の命と快適な生活を捨ててでもまもるべき何かを持っていたのは彼らだけだった。圧倒的多数を要する異境とはもはやみずからの神々を信ぜず、信仰の問題にも無関心を決め込んでいた。だから権力はキリスト教徒以外に寄るべき基盤をみいだせなかったのである。コンスタンティヌス大帝が断行したキリスト教の公認•国教化の政策はまさしくこの政治的必要から発したのであって、大帝自身がキリスト教に帰依したからではない。’’


キリスト教は1200年代は本来の愛の思想からはかけ離れたものだった。民衆に質実な振る舞いから尊敬されていたフランチェスコとドメニコ派を利用し、取り込み、自らを正統派として、異端審問を創設。はてはフランチェスコ派も分離し、師の教えに忠実な教徒は異端として殺されて行った。異端尋問とは自分に不都合な相手を、神の名を借りて殺す手法だった。

’’ブルネレスキは市内のサン•ロレンツォ聖堂の設計にも着手している。この聖堂は彼の遠近法理念を具現化した最初の作品となった。遠近法とは、俗に信じられている様に自然をより忠実に模写する方法でも、二次元の平面に奥行きの錯覚を作り出す技術でもなくて、人間の理性が自然空間や視覚のあらゆる偶然性を排除して合理的に空間を把握し、構築する為の、整序された単一のシステムである。そしてこのシステムの中で、全ての対象が比例=均整の関係において位置づけられる。’’

’’アンカラ公もカルヴァンも後悔することなく、良心に何のとがめも感じなかった。自分は正義を行ったのだ、神に逆らう異端の徒を抹殺したのだ、神は我が行為を許し給うであろう。イデオロギーに捕われた信念の人はどんな犯罪者よりも冷酷残忍になり得るという心理を実証した。

”1618年から30年戦争 ドイツでは2000万人だったのが1300万人まで減った。’’

現在のキリスト教自体を悪くいう意図はないが、歴史的に宗教と権力が結びついてろくなことがない。カエサルのものはカエサルに返せ。だ。イタリア人の友人が言う様に、まだまだイタリアと政治と精神の根深い部分にまで、バチカンの影響がイタリアを覆っている。



この文章は秀逸!
’’レオナルドとミケランジェロの対決は単に個人的性癖の差に起因するものではない。芸術感そのものが和解しがたく異なっていたのだ。レオナルドにとっては芸術は「探求」であり、その探求の対象は「自然」である。自然の奥深く分け入り、そこに潜む根源的な力と原理の把握に向かう事である。ミケランジェロにとって芸術は「表現」であり、表現されるものは「理念」である。自然の素材の中に理念は閉じ込められており、芸術家の手によって解放されるのを待ち望んでいる。自然の素材から余計なもの、粗雑で偶然的な要素を取り除くこと、それが芸術家の仕事である。ブルネレスキに始まり、天才ピエロ•デラ•フランチェスコによって完成されたあの抽象的•数学的な15世紀美術の空間把握に対しては、両者ともに対立するが、その方向はまったく逆である。’’

レオナルドは政策をしばしば中断して観察と思考を重ね、新しい要素を付加し、構成を修正する過程を繰り返す。ミケランジェロはその逆に、素材の中に理想のイメージを発見するや、一気呵成にそれを彫り出そうとする。「石の中に人が閉じ込められている」と、そんな物凄い勢いで彫り刻むのかと問うた人に彼は答えた「早く出してやらないと窒息して死んでしまう。」彼にとって芸術の本質は「取り除くこと」にあったので、それ故に彫刻が最も優れたジャンルであると信じていたのである。だが、レオナルドにとって芸術の本質は「付加すること」にあったから、石を彫るなど「粉塵にまみれた肉体労働」でしかなく、絵画こそが最高のジャンルなのである。両者ともに実地に人体解剖をして多くの知識を得たが、レオナルドにとって、それは生命という神秘的な減少の理性的把握に近づくためのものであり、ミケランジェロにとって、それは理想のイメージを肉眼で見る助けとする為であった。両者は互いに相手の天才を熟知しながら、根本的には相手を軽蔑しあっていた。
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[2012/12/04 11:44] | イタリア | トラックバック(0) | コメント(4) | page top
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コメント
行ってみたいもんだね。
[2012/12/10 22:03] URL | 惠藤憲二殿 #3/2tU3w2 [ 編集 ]
いいですね
[2012/12/13 04:28] URL | IT探偵 god #JalddpaA [ 編集 ]
私も行ってみたいです
[2012/12/15 21:12] URL | 麻生泰 名医 #SFo5/nok [ 編集 ]
俺も行きたいな
[2012/12/16 07:32] URL | 河合潤也 #SFo5/nok [ 編集 ]
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