未来の話:失業問題は解決しうるのか。
 ヨーロッパ各国でもいわゆる「先進国病」の状況の一つとされる「若年層の高失業率」が問題視されている
http://www.garbagenews.net/archives/1949994.html
スペイン、ギリシャは国全体の失業率が2割を超え、かつ、25才未満の失業率はスペイン、ギリシャでは50%を超えている。イタリアはそこまで行かないがそれでも失業率は10.1%、若年層に限っては36.2% となっている。(ちなみに日本は派遣等の労働基準が違うせいもあるかもしれないが、このデータでは4.4%の失業率となっている。若年層の失業率はデータ無し)


さて、何故仕事が無くなったのか。ヨーロッパ、日本問わずだ。
(中略)→追記に記載


私が考える理由は2つ
理由(1)「グローバリズムによる地域間/個人間の世界的競争の導入」
理由(2)「テクノロジーの進歩による労働効率の上昇」

     

この理由(2)は決定的だ。
=「そもそも、世界からは仕事が少なくなっている」と 言ってもいいからだ。

 現代では中世と違って、洗濯機が回せて、パスタだって機械で捏ねられて、移動も車、郵送もメールなどでこなせるとなれば、過去に労働であった仕事はずいぶんと減っている。もちろん、新たな仕事形態や職能が産まれて来るにしろ、この世界的人口増加を考えて、仕事の減少以上に仕事を作り出せるわけがない。国の若者が全員大学を出たからと行って、全員の技術や能力が会社として必要なわけではない。

となれば、極端にそもそも、「世界中の全ての人が働く必要はない」を前提にした方がよい。

 シェアワーキングも出来ると言う意見があるかも知れないが、効率が悪く、人の取り替えが聞くような仕事は、いつかはオートメーション化される仕事だ。新しい世界を作りだす一部の人や監督する人を除けば、全員が働く必要がなくなるはずだ。

 しかし、労働は義務であり、労働の対価として金銭が支払われるとする前提があるから困っている。しかし、仕事の少なくなった未来では労働は義務と出来なくなる。

 
 緩やかに考えてみよう。アリの社会の中では、2割ほどしか正規に働いていないと言われる。彼ら8割は人間的な社会で言うと、無職であるようなものだ。しかし、残りの8割も危機的な場合に対応する要員となり、新しい食物を発見する役割を担っている。つまり彼らはアリ社会全体にとって必要な人材(アリ材?)として認識されている。


 そう、無職も社会の重要な一員であると考えても良いはずだ。



 僕らの未来には違う世界の形があるはずだ。未来には労働者年齢の人は2種類に大別される。世界を維持して発展させる職のある人と、世界のバックアップ機能を果たす(現代的には)職のない人。 この2つが世界を回すような仕組みを作り出さないといけない。

 無職の人は無能で働く意志がない、国のお荷物であると考えるのはやめよう。
働けないのは、状況のせいだと嘆くのはやめよう。

 無職の人はただ無職であるだけではない。金銭による価値観だけでは世界に不足していることを行ってもらう。もちろん、彼ら自身も世界に役立つ気持ちを持ってもらう。こんな世界を成立させる必要がある。


■そのために何をすればいいか。
 まずは社会的企業やNPOをきちんと回すところから始めたい。今の日本は明らかにNPOや社会的企業が育つ土壌にない。これはイタリアでもまだ足りていない。それは、資本主義が前提にまだあるからだろう。

【参考】
池田信夫氏blog日本にはなぜNPOが育たないのか

 
 資本主義を越えた世界を見る為には、高レベルの教育と、個々の教養、コミュニティ形成が必要になる。大学卒業者が増え、ネットや本を読んで教養が増えているが、もう一方で素の人間関係を築く能力(当たり前のことだけど)がより必要になる。
 
 いま記事を書いていて、不思議に思うけれども今こんな世界観を持って教育している人も、政治を行っている人も知らない。伝わってほしいけれど、資本主義の終わりは何も「マンハッタンを占領せよ」とかいう、ごく一部の人間を責めることではないはずだ。
 

100億人がこの狭い世界で、どう辛うじて生きるのかを世界全体としてどう共通認識をとるか。これが重要だ。





(中略)部分
イタリア人の中での大きな意見は3つだ。
意見1:「中国が悪い」
不当な人件費で働かせ、アイディアを盗み、環境を無視して製品を作り、偽物を作ったりして人をだましながら儲けている等の主旨。

意見2:「不況だから」
 2008年から続く不況が世界を覆っていて、ここ数年は経済が落ち込んでいるとの主旨。

意見3:「政治(政治体制、官僚)が悪い」
 民衆からお金を搾取して、仕事もしないのにのさばって、若者から労働機会を奪っているの主旨。

もちろん、イタリア人が怠けているとか、優秀ではないとか、そんな意見は聞こえてこない。



イタリア人の意見に対する反論のヒントが2つの本に示されていた。紹介する時期が遅いが2冊とも名著だ。
ロバート•ゲスト「アフリカ苦悩する大地」
トーマス•フリードマン「フラット化する世界」


意見1「中国が悪い」

ロバート•ゲスト「アフリカ苦悩する大地」
 (先進国は)先進国並みの労働基準を守らない国々からの輸入を阻止しようとする。だが、アフリカの貧困層はひとつもありがたくない。多くのアフリカの人々にとって、低賃金の長時間労働に替わる選択肢は無賃金の長期失業しかない。アフリカ人から貿易の機会を奪うことで、先進国は彼らを一層貧しくしているのである。


 一方があらゆる面で優秀だとしても、貿易は双方を利するものだ。びっくりするような話だがこれはイギリスのエコノミストのディヴィッド•リカルド(1772−1823)がいいだしたことで、「比較優位」の法則と呼ばれている。リカルドの説はこうだ。あなたはAという商品よりBという商品の生産が得意だとする。お隣さんはBより、Aの生産が得意だが、どちらもあなたよりは上手に作れるとする。だからといってお隣さんがAもBも作るべきだということにはならない。それぞれに一番得意なものに専念した方が双方とも利益を得るし、社会全体としても得をする。

トーマス•フリードマン「フラット化する世界」でも

ディヴィッド•リカルドを紹介し、
リカルドの理論では、それぞれの国が比較的にコストで優位にある生産物に特化して、他国が特価した商品と貿易を行えば、全体として利益が生じ、双方の国の総収入レベルも上がるとされる。
また、市場経済の鉄則では、(中略)最も豊富な人的資源と安価な労働力を持つものに、起業家も現存の企業も自然に引きつけられる。

とまとめ、貿易が有益であると指示している。




* ***
中国が悪かろうが、貿易は有益である限りせざるを得ず、世界を貧困から救おうとするならば、「現状は避けて通れない」と判断せざるを得ない。
中国がやらなければ、他の国が行うだけである。


意見2:「不況だから」

トーマス•フリードマン「フラット化する世界」の中で、「3つの集束」が書かれています(かっこ内は私が読みやすい様に追記)
1、垂直(会社のようなツリー)ではなく水平の手段を使う様になった
2、中国やインドや旧ソ連から数十億人が競技場(新しい職場)に殺到した。
3、フラット化した新世界と新式のツールのお陰でそういった人々はプラグ&プレイし、共同作業をできるようになった。



 西欧が独占していた職場に、残りの世界にいた、何十億の人々が殺到したのだ。不況だからヨーロッパから職が無くなったのではなく、ヨーロッパにあった職が、アジアや他の諸国に移ったというだけではないだろうか。これは不況ではなく、富の移転、職の移転ではないか。


意見3:「政治が悪い」
 民主主義国家であることは前提として求められるが、民衆から賞賛される政治を行っている国がそもそもあるのか?これはありえない。


トーマス•フリードマン「フラット化する世界」
 フラットな世界には「代替え可能な仕事と、代替不可能な仕事の二つしかない」

 フラットな世界で個人として栄えるには、自分を「無敵の民」にする方法を見つけなければならない。世界がフラット化すると、階級制度はひっくりかえる。たとえはよくないが、フラットな世界では誰もが無敵の民になろうとしなければならない。私の辞書の無敵の民とは「自分の仕事がアウトソーシング、デジタル化、オートメーション化されることがない人」

 職がないのと政治が無関係とは言えないが、少なくとも政治等関係なくても職を見つけられる人はいる。

関連記事
[2012/07/10 03:42] | 世界の未来 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
<<イザというときの為に、山の装備を整えよう! | ホーム | エミリア•ロマーニャ州地震レポート4>>
コメント
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバック URL
http://hirokijourney.blog35.fc2.com/tb.php/616-c68b35f0
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |