都市コラム「地図の未来の話」
google-earth。 
 都市部では建物に立面写真まで貼付けられ、本物にすら見える。重要な建物は、柱の形まで精巧にモデル化されている。google-earthはそれぞれ一つ一つモデルを立ち上げるという作成手順のため、各街でその精巧さに差がある。大都市部では大体同じようにモデル化されているが、郊外では重要な建物以外3D化されていない。

■東京
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■サンフランシスコ
s_hirokisunfransisco.jpg


■ローマ
s_hirokiroma_1.jpg
s_hirokiroma_2.jpg



と、大都市の3D化は進んでいるが、中国からgoogleが撤退してしまったこともあり、上海での3次元化の量は少ない。郊外都市では上海よりも立体化は少ない。
■上海
s_hirokishanghai_1.jpg


※ただし、そのかわりに中国では、独自の地図が出来上がっている。コミカルな形で3次元化されている上海地図。(下記にリンク。)
http://sh.edushi.com/



一方、google-earthに水をかけられていたmacだったが、今後新しくこの技術を利用して地図が作られる。一つ一つ作るのではなく、全体をスキャンをして立ち上げる。作るのではなく、読み取る。この仕組みは地図の作り方を一変させる。全ての街も地形も同じく、立体化される可能性がある。

http://9to5mac.com/2011/10/29/apple-acquired-mind-blowing-3d-mapping-company-c3-technologies-looking-to-take-ios-maps-to-the-next-level/
 時間は掛かっても動画を見ることをオススメします。少し情報古くなりますがスゴい!。



このような一般的な地図だけではなく、これらの地図をベースにした地図が生まれ始めている。
Federico montanari氏のプレゼンテーションを参考に、いくつか紹介したい。
最後に 今後どう活かせるか、自分の感想を載せた。


【Senseable city lab】
MITの研究室。都市を感覚的に捉えた地図を提供。
ソーシャルマップ、様々な関係を図案(地図)化する実験的地図
http://senseable.mit.edu/


【FanMap】
どの地区の人がどのチームを応援しているか、視覚的に表現される。

s_hirokifunmap.jpg


【twitter chatter during】
同様にスーパーボウル時でのツイッターが全米の地図に表示される。(時間別も)
s_hirokitwitter.jpg



【murmurtoronto.net】
トロントの情報マップ。その場所場所にまつわる情報やお話を電話で聞くことが出来るというシステム。このシステムは2003年から作られ、世界の都市で汎用化されつつある。スマートフォンが出来た時代にはちょっと古いけれども、このアイディアは形を変えて各地のまちづくりで使えるはず。
出来ればgoogleのスマートフォンで、以前紹介したAR技術と共に利用するのも効果的だろう。



【Fix my street Aberdeen】
アメリカ、アバディーン市が点検作業をするのではなくて、そこに住む住民が何か補修が必要な道路を発見したら、市に要請する仕組みが出来ている。これこそ市民参加型行政。これが地図に反映される。


【walk score】
歩ける近隣を作ることが目的でつくれた地図。
交通やミックスユース、地価、歩きやすさからの観点で街のどの辺りに住めばいいかなど判断する材料になる。
商業的だけれども、小さな地区の住み易さを見直す意味でまちづくりのツールに使える可能性がある。
交通条件300m~ とか、地価とかのグラフを変えると地図の表示が変わってくる。遊んでみてください。
 
【Crime mapping】
これはそのままどこで犯罪が起こっているか、様々なアイコンによって表示される。まちの危険度が分かる地図。住民にはまちのどこを気をつけるべきか、判断出来る。
加えて、「それにしても、アメリカは犯罪が多い。。。」ことが分かる。


【percorsi-emotivi.com】
ボローニャの地図サイト。自分の街の思い出等を地図に書き込めるインタラクティブなサイト。ボローニャのアーバンセンターも管理の一端を担っており、今後の展開が楽しみなサイト。
s_hirokiemotivi.jpg



<まとめ>
 fixstreetやwalkscore等は行政が重ね合わせて管理出来ると実質的な効果が出てくるのではないか。住民や旅行者の街の評価が、インタラクティブにこの地図に還元されるように発展普及すれば、住民も行政も街の問題を発見するのに役立つだろう。
 参加型まちづくりの一番始めに行う街歩きや ガリバーマップの巨大ネットワーク版とも言えるかもしれない。今後、発展していく技術ではないだろうか。
Percorsi-emotiviやmurmurは特に街作りのツールとして今後期待出来る。


 出来ることならば、google等の企業に協力してもらい、情報地図のベースを一元化し、行政が管轄の地区をチェックするような仕組みが作れれば、汎用性があり多数の人間に協力してもらえる仕組みができるのではないか。appleやgoogle、携帯端末会社などの協力の下、スマートフォンに社会的アプリケーションとして、相互マッピングが出来るアプリケーションを初期出荷の時点で設置することも2010年代内に起こりうる。

 近年情報がマスメディアから口コミなどの個人ベースに移りつつあるが、これが食べログなどの商業用に使われるのではなく、公共的な分野にも必ず変化していくはず。これまでに観光地の口コミで使われたようなもの、と思えば受け入れやすいかもしれない。


どのように自分たちの街を改善して行くか、多数の人が身近に、実質的に参加出来る仕組みが、これらのヴァーチャルな地図とソーシャルなアプリケーションによって現実的になる。
 
 2110年代は、都市計画におけるIT革命が起こるはずだ。




***
この地図は素晴らしい。世界各国の古地図を見ることが出来る。
http://www.oldmapsonline.org/
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