イタリア日誌31-「Marci della Pace(平和への行進)」
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 ペルージャからアッシジまでの25kmを歩くMarci della Pace(平和への行進)に参加してみた。市民レベルでの動きで、シュプレヒコールを叫びながら歩く人もいれば、単に抽象的な平和の為に歩く人、もしくは純粋に楽しみとして歩く人もいる。イタリアのみならずヨーロッパでもニュースになるような有名なイベントで、イタリア中からこの日の為に人が集まった。2年に一度、行進が行われ、今年が50周年目の記念の回だった。


 マーチの最終地点がアッシジ(ASSISI)にになるのは、アッシジの美しい教会フランチェスコ教会に関連する。聖フランチェスコは、裕福な家庭に生まれたが、貧しい人々と共に歩くように啓示を受けてそれを実践した。神の力だけではなく、世俗的な王達の政治的な力も借りなければ貧しい人たちの生活は改善しないことを理解していた。当時、トスカーナ地方では各地の王によって戦争が引き起こされ、貧しい人たちが苦しむ状況下にあった。それをフランチェスコがアッシジに、ペルージャへと向かって友愛を説いた。「あなたを訪れる人が敵であれ、友人であれ、兄弟のように迎えなさい」訴えかけた。これが、平和を祈るマーチの最終目的地である所以だ。


 さて、このマーチは8万人ほど参加する本当に大きなイベントで、先頭も最後尾も見ることが出来ないほどだった。そしてレインボーフラッグの明るい色がはためく姿は圧巻だった。レインボーフラッグは太陽の下、実に映える。色鮮やかな隊列を見るだけで何かのどかな気分になる。
 ちなみにレインボーフラッグには3つの意味がある。1つ目はもちろん世界平和だし、2つ目はそれが転じて男性同性愛者(=つまりゲイ)の権利獲得の為のシンボルフラッグでもある。ゲイが男性人口の30%~40%を占めるとも言われるサンフランシスコに行くと、このレインボーフラッグが各所で掲げられている。ゲイが多く集まるカストロというエリアに行くと、至る所、このフラッグだらけだ。そして3番目は、ペルーのリマにもこのフラッグがはためいている。サンフランシスコを訪れた後にすぐにペルーのリマに訪れたのだが「あれ?リマにもゲイがこんなにも多いのか?」と、思ってしまった。実際にリマにはゲイが多い、なんてことはなく、レインボーフラッグはリマ市の正式なシンボルフラッグだった。その為に、リマ市はゲイに、そしてなぜかサンフランシスコ市にも抗議を行っている。


さて、マーチの話に戻ろう。

 もちろん、平和の為のマーチなので、政治的な主張も多い。タイムリーな話題として、パレスチナとシリアのために祈り、特にパレスチナの独立を支援する動きが多く見られた。パレスチナの旗はあまりに大きいので、近くの人に頼みつつ、みんなで運んでいた。
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マーチを眺めると「イタリアには主張しなければいけないことがなんと多くあるものだな」と考えたくなるほど、多様な主張に飛んでいた。
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 その中の一つで、“No!TAV!”という抗議があった。「電車はいらない!」ってどういうこと?スローフード運動などもこのマーチの中で主張されているなかで、車を使わないようにっていうのは分かるけれども電車を使うなっていうのは分からない。ということで、歩くイタリア人に色々質問してみた。

 分かったのは、トリノの近くの街(だけじゃなく、イタリア各地で)で、高速鉄道が作られようとしているのだ。それも今、既にあるローカル線に沿ってだ。つまり、線路は1本でいいところに、高速のための広軌鉄道を新たに設けようという話なのだ。そんなことは税金的に無駄が多いのもあるけれども、その建設資金がマフィアに流れるという校図が市民の抗議を引き起こしている、とのことだった。
 ナポリのゴミ問題しかり、いろいろと市民が抗議しなければならないマフィア問題は根強いのだ。

 何やらみんな色んな主張をしているようだ。じゃぁ、僕も主張でもしてみるかと思ったけれども、何を主張しようか思いつかない。あまり主張の強い人間ではないことに気づいたので、とりあえず「震災時の時に日本の為に祈ってくれてありがとう。」とイタリア語で書いて歩いてみた。



 しかし、僕のイタリア語が悪かったのか、時々呼び止められて祈りを捧げられる。過去の祈りも、今の心からの祈りも同じで、僕はその行為に感謝した。この祈りが被災地に届けばいいけれど、とりあえずイタリア人に感謝の気持ちは伝えておきました。

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 5時間ほど歩いてアッシジに到着。夕日と美しいサンフランシスコ教会を見ながら、皆、気持ちのいい疲れを感じていた
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[2011/10/01 01:53] | イタリア | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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