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ラオス日誌-2「歴史的保全地区における社会的還元」
開発利益の社会的還元という概念がある。

http://www.itej.or.jp/archive/shiten/200905_00.pdfの言葉を借りれば(一部改訂)
港湾、道路、空港など、交通におけるインフラ施設を交通社会資本と呼ぶ。この交通社会資本の整備によって「外部効果」が発生することは良く知られている。すなわち、交通社会資本には、その施設を利用し、対価を支払う人だけでなく、周辺の地価や土地用途も変化させる可能性がある。

 鉄道整備のケースを取り上げてみよう。鉄道が整備されれば、その利用者は目的地への移動時間が短縮することによって便益を得る。一方、鉄道の整備によって沿線の価値が向上すれば、地価も上昇する。この沿線に住んでいる人は、もし土地を売却するとすれば、開発以前より高い価格で売却することができる。これは自分たちが何らかの経済活動を行った結果もたらされた便益ではなく、他者の経済活動によって獲得した「たなぼたの便益(Windfall gain)」である。

 そのような便益は、何らかの形で交通社会資本の整備資金に還元し(「開発利益の還元」)、
適正な所得分配が達成される必要があろう。


 東急や西武などの私鉄は地価が上がることを前提として、鉄道を整備し、土地を開発し、不動産事業と一体となって経営がなされてきた。しかし、そのような企業的な努力とは関係なく、たとえば国民の税金によって造られた鉄道駅の近くに「たまたま」そこに住んでいたという、本人の努力とも関係なく手に入れたお金は、本来国民のために還元されるべきである。決して、働きもしない人間になぜ「棚ぼた」がもたらされるのか。アメリカではそれを社会的に還元する。つまり、「棚ぼた」分の土地の価格ではなく、開発以前の地価でしか当人が取引できないようにするとか、開発利益について税を課徴することが行われている。


 ラオスのルアンプラバン(Luang Prabang)を考えてみよう。現在、急速に観光客が増え、そして、歴史的街並として世界遺産登録されている街にホテルや民宿が乱立している。これにより、街の中にてんざいするお寺のお坊さんが行う托鉢にきちんと参加できる人間がすくなくなり、文化的な体系も壊れてきている。もやは托鉢はデズニーのパレードであり、観光客は僧侶を動物に餌を与えるかのように供物を渡し、渡しざまにフラッシュをたたく。
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 こう街が急速に開発されるのもラオスでは公務員が一ヶ月働いても6000円も給料がもらえないという背景がある。西洋人や日本人の外国人が落とすお金の量が彼らにとって半端無い金額だからだ。だから、その外国人からの収入を奪い合うようにして、街が壊れていく。

 しかし、考えてみてほしい。観光客がルアンパバーンに来るのは、決してホテルに泊まるためでもなく、街に構える旅行代理店に行きたい訳でもない。ルアンパバーンの街並と宗教と密接に結びついた文化というか精神性を楽しみに訪れるのだ。
 現地住民は生活に必死だとはいえ、けっしてお金儲けのために街を壊してはならない。それでも、まだ住民が経営しているなら分かる。けれども、外国人がその街の土地を買いあさり地元にも還元せず、歴史的遺産や文化、街並を商売道具にしているのが許せない。
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だからこそ、はじめの開発利益の社会的還元の話に戻りたい。


 歴史的な街並に住んでいる人も、地価が上がったのも決して自分の努力ではなくて、世界遺産になるほどの遺跡があったり、観光局ががんばって宣伝したからである。住んでいる人はなんの努力をしたのか。外国人から、高く土地を買うからと声をかけられて土地を売却してお金を受け取る。もしも、「開発利益の社会的還元」ノ考え方を応用して、「歴史的街並の保全の利益」みたいな考えをつくり、売却しても5年前ぐらいと同じ金額でしか売れないとしたらどうか。加えて厳しいレジュレーションや土地の分割の禁止、外国資本に対する制約 等等を入れれば少しは、外国人による無節操な開発は減るのではないだろうか。

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なお、お前も写真を撮っているじゃないか!という怒りの突っ込みはもっともですが、ご遠慮いただいております。(笑)
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[2011/08/13 00:44] | ラオス | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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