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日本文明の独自性(特異性)
サミュエル・P・ハンティントン
「文明の衝突と21世紀の日本」より 抜粋

■日本の特異性
 第一に、文化と文明の観点からすると、日本は孤立した国家である。日本が特異なのは、日本文明が日本という国と一致していることである。日本には、他の国には存在する国外離散者さえ存在しない。ディアスポラとは祖国を離れて、移住しているが、もとの共同体の感覚を持ち続け祖国と文化的な接触を維持している人々のことである。国と文明の独自性の結果として、日本んは他のどんな国とも文明的に密接な関係をもっていない。共通の文化を分け合っている国々は、高いレベルで信頼しあい、信仰を深め、よりたやすく協力しあい、必要な場合には互いに支援を与えあう。

 第二に日本が特徴的なのは最初に近代化に成功した最も重要な非西欧の国家でありながら西欧化しなかったという点である。(中略)アメリカと日本は議論の余地はあるが、世界の主要な社会のうちでも最も近代的である。アメリカはまた日本にとって最良の友であり、唯一の同盟国である。しかしこの2国の文化は全く異なっている。個人主義と集団主義、平等主義と階級制、自由と権威、契約と血族関係、罪と恥、権利と義務、普遍主義と排他主義、競争と強調、異質性と同質性といったもののの間の差異としてあげられてきた。
 (中略)アメリカがヨーロッパの同盟国のあいだで築いているような、打ち解けた、思いやりのある親しいものであったことはないし、これからもそういう関係が築けるとは考えにくい。
 
 第三に、日本の近代化が革命的な大激動を経験せずに成し遂げられたことだ。(中略)日本は伝統的な文化の統一性を維持しながら、高度に近代的な社会を築いたのである。

 第四に他の国との間に文化的な繋がりがないことから、日本にとっては難題が生じ、また機会がもたらされている。日本は何らかの危機に見舞われた場合、日本に文化的なアイデンティティを感じるという理由で、他の国が結集して支援してくれることを当てにできない。一方で他の社会と文化的なつながりがないために、他のいかなる国にたいしても文化的な共通性に基づいて支援する責任がなく、従って、自国の独自の権益を思うがままに追求できる。ほとんどの文明は家族のようなものだ。それを構成する国々はその中では互いに争っても部外者に対しては団結する。日本は、家族をもたない文明である。つまり、日本は他の社会に家族的な義理をもっていないし、他の社会はアメリカを含めて、日本にたいして家族的な義務を負っていないのである。


 不幸な事実は日本が東アジアのほとんどの国から信頼されていないこと、そして中国を含めてその多くから恐れられていることだ。それこそが中国がアメリカと日本が手を結ぶ現在のかたちの同盟を進んで認めている一つの理由である。もし、この同盟が弱まれば、日本の軍事力の増大、日本の技術の優位性、すなわち日本の核兵器に直面するようになることだ。

* ****
新興勢力にたいして他の国家がとる戦略は二つある。「均衡」か「追随」であり、日本は1世紀前に世界の舞台に現れて以来、一貫して勢力のある大国と同盟を結んできた。「追随」である。第一次世界大戦前にはイギリスと、1920^30年代にはファシズム諸国と、第二次世界大戦後はアメリカと。となれば、中国の台頭で今度は中国と提携する可能性が高い。
* *
日本と中国の文化の違いと相互不信は、ドイツとフランスのそれよりもはるかに大きい。現在も謝罪すべきかをめぐってなおも論争が続いている事実がそれを端的に示している。(中略)東アジアの将来の平和と幸福は、日本と中国が共に生き、ともに進む道を見つけることにかかっているのである。

■アメリカと中国の紛争
 アジアの多数の国に広がっている儒教的特徴で、それが重視するのは権威、階級、個人の権利や利害の軽視、合意の重要さ、対決をさけること、「メンツを保つこと」、そして一般に国家が社会に優先し、社会は個人に優先することなどである。それに加えて、自分たちの社会の発展を数百年、数千年の単位で考え、長期的な利益を最大にすることを優先する傾向がある。このような態度はアメリカ人が最も重視する信念とは全く対照的である。

 アメリカ人は自由、平等、民主主義、個人主義などを最も重視する。また、彼らの傾向としては、政府を信用せず、権威に抵抗し、抑制と均衡を助長し、競争を奨励し、人権を尊重し、過去を忘れ、未来を見つめず、現在の利益の追求に全力をあげる。紛争の根本にあるのは、社会と文化の基本的な違いである。
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