ベトナム日誌-2「遺跡保存とAR」
AR=拡張現実
英語の Augmented Reality (英語発音: /ɔːgˈmentid riˈæləti/ オーグメンティドゥ・リアラティ)の日本語訳であるため、それを日本語発音した「オーグメンテッド・リアリティ」や、省略形のARも用いられる。また、拡張現実感(かくちょうげんじつかん)とも言う。

拡張現実(かくちょうげんじつ)とは、現実環境にコンピュータを用いて情報を付加提示する技術、および情報を付加提示された環境そのものを指す言葉。
(Wikipedia より)

この言葉が有名になったのは、
劇場版ヱヴァンゲリヲン破のDVD・ブルーレイ販売をローソンでおこなった記念キャンペーンでのことだ。
ローソンエヴァンゲリオンARアプリを入れたiPhone越し箱根の山を見ることで、そこにある筈のない80メートルの等身大エヴァンゲリオンが現れるというイベントが開催され、大好評の中終了した。



画像:【レポート】実物大エヴァンゲリオン初号機はこうして出現した -ARエヴァ開発秘話-1画像:【レポート】実物大エヴァンゲリオン初号機はこうして出現した -ARエヴァ開発秘話
エヴァ3


実際のイベントの様子(何も無い小学校跡地、iphoneをかざす場所によってエヴァの見え方も変わる)
http://journal.mycom.co.jp/photo/articles/2010/05/27/arevahiwa/images/006l.jpgより


存在しない場所にiPhoneをかざせば、そこには或るはずのない物体や建物が見えるという技術は、今後、より一層一般化するだろう。当然AR技術はipadでも実現できる。文書書籍とタブレット型コンピューターの急増を考えれば、2,3年後には多くの人がARを見るためのツールを持ち歩くようになっているかもしれない。





で、 本題。







このAR技術を歴史遺産の保存に役立てられないだろうか。




既に滅びてしまった、壊れてかけている遺跡を 世界中で数多くみてきた。実際この朽ちた遺跡群が過ごした悠久の時間の流れに想いを馳せるために世界中を飛び回ったのかもしれない。1000年前の2000年前の市井の人々の生活、遺跡を苦労してつくった人々のことを想いながら、そこでゆっくりと昼寝でもして時間を過ごすのが旅の至極の時間だった。


 逆にしっかりとした研究もないままに、再建されてしまった建物をみると非常に悲しい想いをさせられる。テーマパークのように、そこには時間の流れの欠片もなく、ただ、作られてしまった建物。例えばきれいサッパリと修復されたメキシコのティオティワカン。これをみたときは、存在自体がおもちゃのように見えた。



「再建するのが悪いのか!?」との反論もあるだろう。
「遺跡は壊れたままで放っておいてよいのかと?」




遺跡を修復するにあたっては大きく2つの考え方がある。

「オリジナルに忠実に直す」と「オリジナルと区別をつけて直す」

 前者は、歴史や当時の工法を研究し、できるだけ同じ材料、工法で修復して、当時の美しさを再現する目的で使われる。再建とは異なるが、結果的には似た印象を受ける。
 後者はヨーロッパの修復時によく使われる手法だ。完全にオリジナルが修復できないならば、もしくは、昔には必要なかった機能を加えざるを得ないときには、修復した部分と歴史あるオリジナルと区別が分かるように修復する。そうしないと何十何百年後に、どの部分がオリジナルの設計なのか分からなくなってしまう。迂闊に修復すると来場者に間違った印象、歴史を植え付けることになりかねないからだ。区別をつけるという修復例で言えば、古い城に階段を付ける必要が生じた場合、あえてガラスや鉄で設計する例もある。


 僕も前者(同じ材料、同じ工法など歴史的な史実にそって修復すること)に決して反対するわけではない。けれども、僕にはどうも一方で完全に新しくなった建物に本当の魅力を感じられない。特に、発展途上国(中国やベトナム等)における偽装的な再建など、目に余るものがある。木造だった柱はコンクリートで作られ、屋根も色彩も歴史的に史実になのかも分からない。
 世界遺産のベトナム•フエの王宮の中には、存在すらしていなかった建物(日よけのための建物)が当時のスタイルを真似て建築されてしまっていた。みていて悲しくなるほどだ。

s_RIMG0081.jpg
(写真手前の空地に当時の重要な建物が建立されていた。こちらは長期にわたる研究の上での再建を試みられている。日よけなど、すこし外れた位置にテフロン製のテントとフォグ(水の霧)と扇風機を組み合わせたものを配置するなどすれば事足りただろうに、、、、)


 荒廃した悠久の歴史を感じさせつつも、当時の豪華絢爛ぶりは如何様なものだったのか観光客に伝えるにはどうしたらいいか。



これこそに AR技術を使いたい。



 写真のように崩れかけ基礎しか残っていない遺跡がある。
s_RIMG0122.jpg




ここにI-padをかざすと、その画面には当時の遺跡の姿が見えてくるというのはどうか。先ほどの王宮建築を当時のように再建するとした場合多くの調査、研究と時間が必要。この研究•調査の期間が行われている間はとりあえずARをつくっておいて市民や観光客に公開するということができるのではないだろうか。多くの遺跡をすべて修復再建するにはお金も足りないだろうけれども、ARならコストはかなり抑えられる。

 このような考えを東大の研究室が奈良の平城京(現在、跡地は更地)でも使用しようと試みたようだが、ニュースで推測するかぎり、まだ一般には公開されていないようだ。






このAR技術、遺跡の保護や観光イベントに使われるように必ずなっていくだろう。一過性の遊びの企画だけでなく、じっくり遺跡保存の為に使ってほしい。
関連記事
[2011/08/01 10:31] | ベトナム | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
<<日本文明の独自性(特異性) | ホーム | ベトナム日誌-1「変わる街」>>
コメント
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバック URL
http://hirokijourney.blog35.fc2.com/tb.php/531-c68f716d
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |