イタリア日誌-18「フランスとイタリア女性の出生率の違い考察」
同じカトリックでもイタリアとフランスの出生率が異なるのはなぜか。背策の違いや文化的背景等、多数原因が考えられるが、あえて生態学的な側面から、人口密度と出生率との関係が原因である、と論じてみたい。

仮説:
人間は動物と同じように過密状態で子供を産むにはストレスがたまり、出産が抑制されているのではないか。
フランスは農業国で広々しているのに対して、イタリアはフランスと同じような人口を抱えつつも国土が長靴ぐらいの広さしかない。つまりフランスとイタリアでは人口密度が2倍ほど大きく異なる。

つまり、
人口密度がフランスとイタリアの出生率に差を生んでいるのではないか。


まずは過密状態における生物の出産率と個体数の増大の相関をみてみたい。

この学問は個体群生態学と呼ばれる学術部門で、既に多くの論文が提出され、下図に示すだけではない相関性の曲線が提示されている。

logistic population growth

logi.jpg

(ecol.zool.kyoto-u.ac.jp/homepage/sota/ecology2_2011_1.pdf)より


これらの図を見ると種族の個体数が増大すれば、一定の数に収束したり、個体数を減らすために同族で殺しあったり、突然個体数が一気に減るような事象が指摘されている。

この個体数の増大減少を生み出す原因として、ストレス説と血縁行動説の二つがあるとされる。
ストレス説は種内競争の激化からストレスが発生しメスの産卵が抑制される、もしくはオスが積極的にメスにアプローチしなくなることを指す。これらを人間に当てはめれば、合コンでうまく発言できないことや自信をもてない容姿などによって、モテモテ街道から脱落せざるを得なくなった男女がニート化するということと現象などが挙げられる。
 
 血縁行動説は低密度時には問題なくとも、高密度時においては成熟した後もメス間の社会関係によって発情できず、交尾に至らないことがある。人間で言えば女性同士による争いや、女性がボーイズラブ(美少年の男性同士性行為を行う漫画、通称BL)を楽しむ現象(ヤオイ化現象)などが挙げられる。※ヤオイ系=ボーイズラブの漫画を愛好する女子を指す、池袋にはBL系の漫画を取り扱う書店が多く集まる通り、通称ヤオイ通りがある。

専門的には交尾後の繁殖阻害要因にはオース効果と呼ばれ、繁殖完了における最後の関門は子殺しでブルース効果との関連で注目されている。


 人間に当てはめた時に一般的に問題視(ないし珍妙視)されるような若年層の例となるのは、近年は生物学的に異常行動に出やすい環境にあることを考慮すれば納得できる部分もある。




さて、生物的に密度と個体数の相関性が述べられているのに対して、上記にみるような、人口密度と出生率の相関性は一般論化されていないように思う。


では、実際のところ相関性はあるのだろうか?
まずはネットで簡単に手に入る資料で仮説的に出生率と人口密度と比較してみたい。


フランスは
国土面積:632,759km²(43位)
人口:65,447,374人(20位)(2010年)
人口密度:115人/km


それに対してイタリアは
国土面積:301,230km²(69位)

人口: 59,870,000人(23位)(2008年)
人口密度:193人/km²


ほう! 
フランスの方が人口密度が低いのだから、フランスがイタリアより出生率が高いのは、こういう理由だったのか!


すごい!仮説があたっている!


これはノーベル賞級発見だ!




と、




結論づけるにはちょっと軽率だ。




他の国も見てみよう。




世界の人口密度のリストで主なものを載せる。(人口/国土面積/人口密度)
1位 マカオ 537,000人/29.2km2/18,424人/km2
2位 モナコ 32,812/ 2.02km2/ 16,244
3位 シンガポール 4,736,000/ 699km2/ 6,773

34位 日本 127,156,000 人/ 377,915km2/ 336人/km²
59位 イタリア 59,870,000 人/301,318 km2/ 199人/km²
92位 フランス 62,342,000人/551,500 km2/ 113人/km²


これと
国の合計特殊出生率順リストと比較してみると

人口密度が最高だったマカオが、逆に出生率は最低という見事に求めていた数値が出た。


196位 マカオ(中華人民共和国)0.95

上記の例と比較してみても法則は当てはまる。
138位 フランス 1.89
179 位 イタリア1.38
190 位 日本 1.27

当然すべては一致する訳ではないが、大体の予想があたっているようだ。
イタリアを基準に196か国中どれぐらいこの法則に当てはまるか調べてみよう。
(正確な数は誰か調べて!眺めてみると約90%ぐらいだろうか)人口抑制など国の政策的な部分もあるが、それでも相関していると言っていいだろう。


アフリカ大陸と南アメリカ大陸の形がパズルのように組み合わさるのと考えた子供のアイディアが最後は世界はひとつの大陸だったと証明されたように、まだ実証されていないけれども、出生率と人口密度の相関性は何か証明すべきものがあるように思う。



私は学者さんではないので、この仮説を学会に発表とか実証する前に、もう一段階話を発展させて身近な実践論に置き換えてみよう。


つまり、


 子供が欲しいと思っているご夫婦は田舎に行って、のんびり子づくりをすればきっとうまくいくはずと仮説がたつ。
毎日、満員電車に乗って通勤していては、人間の生物的な部分によって繁殖を抑制されてしまうのだ。


と、


衰退になやむ田舎の行政・観光協会と不妊治療の病院を説得し、新しい宿泊サービスを提供すれば、きっと新しい滞在型観光業態ができるだろう。



もちろん、企業も産休とか育児休暇だけがあればよいのではなく、ハネムーンに加えて、定期的な子作り休暇制度を用意するべきだと提言したいのだ。
(具体的に言えば、生理休暇を体調を悪い時期ではなく、排卵時に取れるようにする。)



お願いしますよ、少子化担当大臣様
※個体性大群は個体密度が変動ステージと必ずしも一致する訳ではないと指摘されているので、難しいがこの文章では割愛した。
※あまりに要素が多いので、人口密度だけで出生率を語るには異論はあるはずだが、人口密度が心理的に影響もらたらしていると指摘できるのではないか。
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[2011/07/30 03:15] | イタリア | トラックバック(0) | コメント(2) | page top
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コメント
人口密度と出生率
人口密度と出生率・・・わかるような気がします。
もともと人口密度の高い国は、出生率も高いのが普通だったと思われます。

子供がたくさん生まれるから人でいっぱいになった、ともいえるでしょう。
しかしそういう国に近代的家族計画が入ってくると、一気に社会のバランスが崩れて出生率が極端に下がる、当傾向はあるのかもしれません。
[2014/02/03 18:23] URL | はーちゃん #PcLzWHWo [ 編集 ]
人口密度
>はーちゃんさん

考古学的に言えば、元々人口密度が高い国、地域は農耕が盛んな地域でした。人口を養える食料があることが前提でありました。その意味では人口密度が高い国は出生率も高いのが普通だと思います。


 近代的家族計画が何を指しているかを、もう少しお聞きしたいところですが、

かつて農業生産を高めるために、組織化された社会が必要でしたが、現代に於いて農業生産に多くの人口を割く必要なくなったために、人口が減って行くのだと言えると思います。
[2014/02/07 00:08] URL | hiroki #- [ 編集 ]
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