文明の衝突 サミュエル・P・ハンティントン
本当に名著だ。15年以上経っても、未だに彼が書いた通りのシナリオで動いている。

***文明の衝突***
ハンティントンはまず文化が国際政治においても重大な役割を果たしていることを指摘した。特に冷戦後において文化の多極化が進み、政治的な影響すら及ぼした。なぜなら文化とは人間が社会の中で自らのアイデンティティを定義する決定的な基盤であり、そのため利益だけでなく自らのアイデンティティのために政治を利用することがあるためである。伝統的な国民国家は健在であるが、しかし行動は従来のように権力や利益だけでなく文化によっても方向付けられうるものである。そこで現在の諸国家を七つまたは八つの主要文明によって区分することがハンティントンにより提案された
***


少し、彼の著書からの抜粋をしてみたい。

最も重要な孤立国は日本である。
日本の独特な文化を共有する国は他にない。他国に移民した日本人はその国で重要な意味をもつほど人口が多くないし、かといって移民先の国の文化にどうかすることもない(たとえば日系アメリカ人がそうだ)。日本の孤立の度がさらに高まるのは、日本文化は高度に排他的で、広く支持される可能性のある宗教(キリスト教やイスラム教)やイデオロギー(自由主義や共産主義)をともなわないという事実からであり、そのような宗教やイデオロギーをもたないために、他の社会にそれを伝えてその社会の人々と文化的な関係を築くことが出来ないのである。


神の復讐
 無神論者の方向には世界は進まなかった。
グローバルな宗教復興をもたらした最も顕著で重要な、そして最も強力な要因は、まさしく宗教に死をもたらすとされていたものにほかならない。すなわち、20世紀後半の世界に巻き起こった社会、経済、文化の近代化の嵐である。これにより、長い間確立されていたアイデンティティの基盤と権威の体制が崩壊した。人々は農村部から都市へと流入し、故郷との絆を断って、新しい仕事についたり、職を失ったりした。彼らは見知らぬ多くの人々と接触するようになり、新しい人間関係のなかに置かれた。彼らはアイデンティティの新しい根拠、新しい安定した社会、新しい道徳律の体系を求め、そこにみずからの存在意義と目的とを見つけようとしたのである。宗教は、主流の宗派であれ、原理主義であれ、これらの欲求を満たしてくれた。

 成長著しい国をみると宗教の興隆が見える。祖先崇拝、シャーマニズムといった古い習慣や信仰だけではもはや完全な満足は与えられなくなった。人間の存在意義、我々がなぜここにいるのかといった疑問にたいし、より高いレベルの答えを求める動きがある。

人間は理性のみによって生きていくものではない。彼らは自己の利益を追求するうえで、計算し、合理的な行動をとる前に、まず自身を定義づけなければならない。

* ***

さて、僕らは自分たちの狭量さをもっと理解して、自分たちが他の国の人から見たら異常なコミュニティを作ることを理解することが重要だと思う。ただし、決して西洋のようになることや、グローバリズムに染まることはないと思う。現代で使われているグローバリズム=西洋文明化であれば全く意味のない議論。

 文化的背景のもとに、これから生まれつつある新しい自由主義との潮流をいかに組み合わせるか。今後、文明の上にその、地球市民的な意識の流れ、どこの文明グループに属さないノマドが生まれてくるはずだ。それが世界の時代、思想、歴史の流れを決定づける鍵になるのではないか。まだ、名前はない。見えないけれども、動き出している。見えない力が重い空気のように迫っているのを感じる。それは、明るい希望だ。おそらく彼らは気づいていない。だが、8つの文明の上に、ゆっくり流れる気流がある。それが形になるときに、世界の構図は変わるはずだ。



さて、とりあえず今後台頭する中国の覇権主義に対して、ある程度寛容さを持ちつつ、新しいアジア圏域を一緒につくっていけるか。日本の舵取り、世界の融合に向けて、何が出来うるか、一人一人考えていかないとな。
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[2011/06/19 23:31] | 建築・都市コラム | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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