石巻中瀬の復興計画案メモ
中瀬エリア:復興まちづくり市民事業の拠点をつくる

■人々の交錯の場であった中瀬
 石巻は平安時代の終わりごろからは平泉と北上川舟運で結ばれその外湊であったとも考えられていることから、古代•中世から交通の結節点としての役割も担っていた。○○年頃からは国道398号が東西の通り道であることから、現在でも多くの人々が行き交う交通の結節点であった。 
 石ノ森章太郎氏が中瀬をニューヨークのマンハッタン島に見立てた『マンガッタン島構想』により、平成13年には中心市街地活性化の目玉として石ノ森萬画館が建設された。UFOのようなユニークな建物と石ノ森氏の全面的な協力による展示品は県内外から多くの観光客を石巻の中心市街地集めた。また、萬画館は自主的なイベントを数多く行うことによって地元の方にとっても開かれた市民の場になっていた。
 一方で中瀬には民地も○敷地ほどあり、民間所有者によって駐車場とレストランがつくられた。市も観光客のために萬画館のすぐ対岸に観光バス停車場を整備した。これらは萬画館利用者には至極便利である一方で、来館者が中心市街地にお金を落とすことなく石巻を去ってしまうという構造もつくっていた。
 このような状況の中、大震災が起こった。

■復興のシンボルとなる中瀬
 いつの時代でも残るのは自然風景や地形であり、過去と同じように未来もこの中瀬が石巻の中心に位置するだろう。中瀬は市民に開かれた場として石巻の復興のシンボルとなりえる。
 震災によって70cm~1m程度地盤面が下がった。今後起こりえる津波と氾濫の危険度及び堤防の再建コストを考えると、民地の住宅利用は原則禁止し、中瀬を全面的に公的整備することが現実的な選択になるだろう。

 一方で公共建築である石ノ森萬画館と石巻ハリストス正教会が被害に遭いつつも奇跡的に残った。石ノ森萬画館は1階が土産物屋であり2階が展示場という建築形態であったために貴重な展示品や所蔵品の多くが無事であった。
 この石ノ森萬画館とハリストス正教会という公共施設を復興の手がかりにして、周辺の整備と併せて公的事業中心に中瀬の公園化を計る。

 市民の活動の中心となる中瀬での市民事業は以下が想定できる

事業①「まちづくり会社による石ノ森萬画館の発展的運営」
 震災以前もまちづくり会社まんぼうによって運営されていた。これを発展させ、1階は国内外の漫画家に協力してもらい暫定的な復興応援ミュージアムとする。1階の映像室や3階を活用し震災津波被害や石巻の復興の様子を伝える暫定の復興ミュージアムとする。等を市民の手によって運営活用することにより市民事業へのモチベーションを生み出すことが出来る。

事業②「民間基金を活用したハリストス正教会の再建」
石巻ハリストス正教会は正教会としては日本最古の木造建物である。この建物は明治13年に新田町(現千石町)に建築され、そこから昭和55年に移築されて来た。移転には当時総事業費で2,442万円の費用がかかった。しかし、建築単体の事業であり、関心の高さから海外の正キリスト教会の寄付金や民間基金を活用した市民事業として再建することができるだろう。

事業③『市民による管理』
 公的な護岸整備に併せ、中瀬に○○軒残る民地を公的に買い上げ、既存公園部分と合わせて公園(メモリアルパーク)を整備する。存在自体を震災の記憶となるよう整備するとともに、萬画館と含め、市民運営による中瀬全体の企画管理も託していく。

事業④まちづくりのプラットフォームをつくる 
 まちの中心で自分たちの街の像を共有しながら考えていくことが重要である。そのためにはヨーロッパの各都市で行われているように、誰もが集まれる場所に街全体の大きな模型を置くことが有効だ。まずは仮設でよいので復興ミュージアム(仮)を設営する。ここではまち全体の巨大模型を前にしながら、全ての市民がまちづくりの状況を常に把握しつつ、そこで一緒にまちづくりを討論できる。このようなハード的なまちづくりのプラットフォームをつくることも市民事業を支える土台となる。

※ 設計は国際的なコンペを行うこと。ただし、建築家ではなくマンガ家を対象にコンペを行うことがマンガッタン計画にふさわしい。

 中瀬の整備は事業方式で言えば護岸整備と併せた土地の買い上げと公的整備による復興といえる。しかし、重要なのはこれらを『市民事業の動機を高めながらすすめること』『復興にむけた市民に情報を提供し、共有し、意見を反映させられる場をつくること』『将来的に市民によって運営されること』である。そうすることで単なる箱もの建設や公共事業ではなく、段階的に市民の意思を取りこみ増幅させる場として中瀬を本当の意味での公共的な場として利用されるだろう。


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以上、別途 提案されることがなくなったため、提案議論の足がかりとして。
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[2011/06/08 20:00] | 震災復興 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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