上海日誌-20「法令と街の景観」
上海日誌-20「法令と街の景観」

 中国で設計をすると独自の法令が山とあり、そして地方ごとによって違う。そして、担当によって違えば、提案をすれば法令が変わってしまうことすらある。

 中国では方案→拡大初歩設計→施工図という順番で設計手順進むがこの方案の前に政府との交渉がある。ここで容積率やらなんやらの交渉があり、方案によって具体的な条件が確定する。この方案の出し方(デザイン性や象徴性)などを工夫することによって、通常では獲得しえない容積やら高さを得ることができる。言ってみればアイディアによって、条件すら変わってくる。日本ではなかなか考えにくいところだが、だからこそアイディアを出す設計事務所(デザイン事務所)が求められる。(後はクライアントの政治力)

 さて、現在8ヘクタール、27万平米ほどの住宅、商業、オフィスの複合地区を設計中。コンペのため2週間で完成させなければならない。(当然平面やらデザインやらパースも含めて全て作成するわけで、相変わらずスピードは異常)
 
 住宅を設計していると、法規と街の景観がいかに絡んでいるかが良く分かる。中国の法規ではトイレや台所など水周りは必ず外気に面する必要がある。日本では水周りは外部から離れた場所に確保するのが通常だが、中国ではそれを適応できない。となると、穴を開けるように表面積を増やした平面となる。これが中国マンションの景観を作る。

 おまけなのだが中国のマンションの間取りと付加価値事情を。
バルコニーは入居後にガラスをはめて部屋として利用できるようにする特典をつける。(そのため上海市では1.8m以上の広さを持つバルコニーをバルコニーとは認めない)
日照的に不利な部分をSOHOとしてつくり、階高を4.8mとして販売後にロフトを作って2層の住戸面積として売る。上海の場合階高4.6mまでは1層分の容積としてしか参入がされないので、階高を4.6mとし、日本で言う確認検査後、4.6mの天井を壊し9,2mとし、その後で3層にする。結果として1,5倍の延べ床を獲得するという日本では考えられない設計をしたりする。(4.6×2÷3=階高さ3.1m)

 色々と日本人には想定がつかない法規や抜け穴が中国にはある。お国の事情も絡んでいる。地下駐車場がその最たるもの。次回はそのへんを詳しく書いてみたい。
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[2009/07/04 14:14] | 上海日誌 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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