観光資源と景観保存
ネパールの国家収入の65%は観光資源だという。これは驚きの数字であるが、おみやげなどを見る限り実質的にはもっと数値が高いのではないかと思う。それほど国の観光への意識は高い。

意識が高いからといってスイスやニュージーランドのように素晴らしく観光案内所が設置されているわけではない。要は国中が外国人から収入を得ようと必死なのだ。

マオイストと政府軍との内戦状態の時ですら一切外国人には手を出さなかった。ネパールの道路はよく政府への抗議のために封鎖されるがツーリストバスだけは通れる。どちらの軍隊も外国人観光客がいなくなったらネパールは終わりだと理解している。ネパールの資源は乏しい。海もなく、輸出入にも向かない場所に位置し、もっぱら貿易(輸入)といえばインドからだ。ネパールルピーはドルに連動するのではなく、インドルピーに連動することからもよく分かる。

資源が乏しいネパールでは、生産性こそ無いが美しい山々を使った観光で立国するしかない。
トレッキングを楽しむために大体のトレッカーはガイドやポーターをつける。たとえガイドをつけないひとでも
山の上での食事はポーターが運んでくれた食糧を食べることになる。団体客など食材やテント、食器もすべて運んでいく。
正直、鉄製のテーブルなどはその場に置いておけばいいのにと思う。しかし、わざわざ山の下から上まで運ぶことによってポーターの仕事を生み出している。スイスであれば、何日もかけて運ぶよりヘリコプターでまとめて運んでしまうはずだ。それがネパールだし、常識で考えたら意味がないような仕事でもしっかりと残っている。

トレッカーにとっても重い荷物を運ぶ彼らの姿が観光資源だと思う。しばらくはこのままでいい。

一方で景観という意味ではまだまだネパールは配慮がない。道端に落ちているゴミへの配慮はもちろんのこと、美しい山々に対して民家の屋根が青いのはいかがなものか。青い屋根は自然に調和しない。景観を乱している。以前にも書いたが色を変えるのにはにはお金はかからない。トタン屋根を生産する時点でもう少し、景観に調和した色彩にできないものか。日本のネパール総領事館の名誉秘書をしている友達と色彩家の方に協力してもらってネパール政府に申し入れたい。環境と住み心地を含めた適地技術の屋根の材料まで提案できれば世界の山岳地帯に貢献できるプロジェクトになるはずだ。

また、カトマンズ周辺の歴史的景観地区の環境破壊も恐ろしい。観光資源を守るためにもっと街づくりの視点が必要だ。ネパールにはもっともっとまちづくりの専門家が入ってくるべきだろう
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[2008/11/07 00:01] | 建築・都市コラム | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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