[0808015]Petra
 ぺトラ遺跡へ。
 聳え立つ崖の谷間を抜けるとエル・ハズネ神殿に着く。地形に守られた奇跡的なロケーション。建築する理由は数あれど、人間は元々構築する意志を持っている。マチュピチュもそうであったが、人間と言うのは素晴らしい立地条件を見つけたときに放っておけない。建築したくなるのだ。世界最高の敷地には大体宗教施設が造られている。エル・ハズネを始めとするぺトラの遺跡群は、強い光、乾燥した大地によって力強い単純なデザインとなっている。

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 エル・ハズネ神殿はヘレニズム文化を強く受けた建物である。一方で周辺にある王の墳墓群はその影響が見られない。どんな場所であれ、死に対しての人間の反応は、土着的な慣習を持ってくるように思う。キリスト教のお墓であっても世界中形は異なる。
 ぺトラで墳墓に使われた土着的なデザインは階段のシンボル。このシンボルによって死者が昇天させる。階段のシンボルは世界的に昇天を意味する。ピラミッド然り、ツェツェンイッツァ然りだ。面白いのは全く同じサインがモロッコのカスパやベルベル人の住居に使われていることだ。おそらくキリスト教やイスラム教成立前に遊牧民であったベドウィン民族が、統一した慣習をもって移動したことを意味している。その慣習は時代が変わっても、宗教が変わっても残り続けている。人類の記憶というのはそうそう消せない。特に原始的なイメージに関しては。

 石窟寺院と言うとインドのアジャンタやエローラが真っ先に浮かぶ。内部に多様な彫刻が掘り込まれ、奇跡的な内部空間を作っている。一方、ぺトラには内部空間は存在しない。入り口を入ったら内部に四角い空洞が残るのみ。内部に彫刻は存在しない。ニッチさえないのだ。
 これは明らかにギリシャ、ヘレニズム文化は外観に重きを置いていることを示している。外観が重要であれば石壁への彫刻的な建築は実に効率的だ。材料に事欠かず、構造的にも強い。エル・ハズネ神殿の建設にはメリットがあった。
ぺトラ遺跡群は主に紀元前2,3世紀に建てられた。外観によって権威を誇示する必要はあっても、内部空間の使用方法が宗教成立までなかったのだろう。宗教が成立すれば一般人を内部に引き入れて宗教の権威を示し、説法をする必要もある。
 外観には彫刻が残っているが顔は削られている。ガイドブックには書かれていないがイスラム教の成立後に削られた可能性もあるのではないか。

 夜、宿でインディージョーンズ最後の聖戦を見た。本来はぺトラに行く前に気分を盛り上げるために上映される。ぺトラはこの映画の舞台になっている。ヨルダン政府も世界遺産を映画のロケーションによくぞ使わせた。この映画によって世界中に遺跡が知れ渡るようになり、観光客も増えた。エジプト同様、石油がない国の戦い方がある。日本も様々な遺跡があるが、日本の物価が高いせいもあって映画にはなかなか使われない。観光化の良い点悪い点を見極めながら映画招致の作戦があってもよい。
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[2008/08/15 19:09] | 世界一周旅行 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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