[080704]Amsterdam
ホステル暮らしは体の疲れと共に精神の疲れが溜まってくる。これは生活感のない空間にいるからだ。たぶん高級ホテルに泊まっていても5ヶ月経てばそう思うのではないだろか。
この疲れを取るには誰かの生活空間の中に入ることが必要なのだと思う。2日間、美味しい食事と美味しいお酒。楽しい食事に安眠を。朝はオランダ流パンケーキをいただいた。
おかげで精神的な疲れを取ることが出来た。

 アムステルダムの東部港湾地区再開発エリアへ。ここは世界的にも有名な都市開発がなされたところだ。開発も一段落しため、初期の頃からの開発から最新の開発まで一通り見ることが出来る。特に有名なのはKNSM島やボルネオ・スポールンブルグだ。


 住宅開発でこれほどデザインされた住宅群が出来上がるのか理解できなかった。というのも公共の美術館等であれば街のランドマークとして機能し、行政が税金を投入してつくるが、観光客を呼び寄せ収入も得られる。しかし、住宅にお金を出すのは購入者や賃貸者である。観光客がお金を払うわけではない。いいデザインの住宅に住みたいと誰もが思う。しかし、デベロッパーの立場からしたら安く作りたいし、購入者からしても安く買いたいと思うのが当然だろう。

 その意味でKNSM島の建物やボルネオ島の巨大なマンションのデザインが実現したのには感嘆してしまう。デザイン自体は日本の若手の設計者でも提案することは出来るだろう。しかし、これを提案する枠組みがない。枠組みをどのように作り上げるか、その辺を学びたい。オランダでは30代、40代に巨大開発プロジェクトのチャンスが与えられる。自分が設計する立場にならずとも、プロジェクトを提供する側になれればと思う。

 こんなところも建築家にチャンスを生み出す源があるのではないだろうか。昨夜、オランダの設計事務所の新作がニューヨークに建設されると新聞の一ページを使って記載されていた。新聞といってもフリーのゴシップ新聞である。オランダ人の一般市民も本当に建築への興味・理解があるのだと思う。

 ボルネオ島はWEST8によるマスタープランの上に各個の設計が作られた。ニューアーバニズムの代表のように現在は語られている。有名な運河沿いの建物はオランダらしい低層住居で住戸が連なった形態をとり、外観は多様だが材料などの規定によって調和が作られている。
s-100_5718.jpg

 地区全体は街区ごとに異なる棟の表情を作っている。高密度でありながら、運河や中央を貫くオープンスペースによって窮屈さを感じさせない素晴らしい配置計画である。ただデザインを見るだけではなく、調和を生み出したマスタープランや規制、運営方法も含めてもっと勉強する必要がありそうだ。

 とにかく、オランダの新しい建築ムーブメントは凄いことになっている。情報を聞いていた自分でも「たまげた」の一言。湾岸沿いに出来た新しい建物群もおもしろい。既存のレンガ造りの倉庫を残しつつ上部や周辺に異なるボリュームを追加している。
 s-100_5716.jpg


既存建物が保存建築になっていたところに、誰かがこんなやり方なら作ってもいいのではないかと当局に提案したのだろうか。


アムステルダムの近くの町では漁業が廃れ、それに代わる産業として観光業に力を入れている。街ぐるみで市民も一体となってそれに協力している。市民は普段着でも民族衣装を着るなどして街の雰囲気を観光客受けするものにしようと試みている。街に民族衣装の人々がいるのは、意識的にやっているものだとしても良いものだ。
日本の城之崎温泉では有名な温泉巡りがある。ホテルに大きな浴場をつけるのではなく街中に公共の大浴場を持っている。城之崎でのホテル宿泊客はホテルから浴衣と下駄を履いて街の温泉に繰り出す。街の人、観光客を含めてみんな浴衣と下駄を履いている街が出来る。やっぱりこんな街は情緒を感じてしまうのだ。
 グァテマラの山岳民族には民族ごとに決められた衣装がある。その中のサントドス・クチュマタンという言う民族の村に行ったのだが村人全員が同じ衣装を着ているのだ。子供、大人もみんな同じ服装である。こんな街は街並みがどうというよりも街に統一感がある。問答無用の統一感だ。建築のみならず、衣装によっても風景というものは作られうる。
ちなみ民族衣装の内側に着ていたシャツにポケモンのプリントがあった。これには資本主義の巨大さを感じた。

 ロッテルダムの大学の同級生のところへ。
彼の同僚がBLkHarbourのキューブハウスでパーティを行うという。
s-100_5728.jpg


キューブハウスは大学2年生の設計課題のような作品だが実際に建っている。そこにどんな力が働いて実現に至ったのか、デザインよりもそれを学ばなくてはならない作品だ。

 様々な国から若い建築家がこの街に集まる。そのエネルギーと多様性を感じた。いい夜だった。
関連記事
[2008/07/04 05:19] | 世界一周旅行 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
<<[080705 ]Roterdam | ホーム | [080703]Utrecht → Amsterdam>>
コメント
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバック URL
http://hirokijourney.blog35.fc2.com/tb.php/216-d4260668
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |