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[080618]Trieste → Milano
アルド・ロッシのガララテーゼ集合住宅(Gallaratese Housing)を見学。行ってみたかった集合住宅の一つだ。よく見る建築写真では柱の後ろに子供が並び、夕日で黄色味かかった人間的な雰囲気を持っている。しかし建物は白く、時間が沈黙したような空間を持っていた。玄人好みの空間性であるが、厳格な構成を集合住宅に割り当てるのは住み手に少々犠牲を強いるような気がする。窓は真四角、柱の型、高さに合わせた単純な構成。これが公共的な建物や機能のない葬祭場などであれば良い。しかし、基本的に温かみのある空間性が求められる住宅には向いていないだろう。

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その同じ敷地に立つカルロ・アオモニーノ設計の集合住宅はアルドロッシと同じ柱の構成を残しつつも、自由な空間性を実現していた。共用部は強い色を使い、楽しい雰囲気を生み出していた。住宅のプランも多様(117プラン)だ。こちらのほうが集合住宅のあり方としては正しいはずだ。

s-DSC_9667.jpg


これが日本で出来るかと言えばなかなか難しい。予算から共用空間は極力減らすし、容積率消化を絶対とした場合、ピロティに割り当てる階はない。自由なバルコニーの形を作るのも難しい。バルコニーの容積率参入基準など日本は異常におかしな法律基準を持っている。本当になんの意味があるのかと思う。

もちろん確認申請をチェックする側としては基準がないと困るだろう。確認側はマンションデベロッパーが法スレスレぎりぎりに作るほうが悪いのだというだろう。デベロッパーも設計者も、なにより購入者がきつきつに苦しく、デザインされていない建物を望んではいない。根本の原因は何かといえば「?煩雑な手続き?労働力コスト?土地の値段」にある。
? 煩雑な手続きは設計者に過酷な労働を求め、かつそれほど意味がない。時間がかかり、コストに響く。
? 労働コストは日本はステキな国なので、皆大体同じ給料を得る。末端で働く交通整理の人も、運搬者も清掃者も十分な賃金を得ている。日本人は教育も行き届いているので一人一人のコストが高くつく。(素晴らしいことだ)
? 土地代は最悪だ。これがはっきり言って諸悪の根源だろう。土地は公有化すべきだ、ないし、土地は半額程度になるべきだろう。土地を持っているだけで金になるから、作る建物にお金を掛けれない。いい建物が人をひきつけるのではなく、場所や資産性が重要視されてしまうからだ。デベロッパーも購入費に異常なお金を投資しなければならない。デベロッパーが開発しなければ、何も使いようのない土地であってもだ。銀行が土地を担保としているというのは、千利休のお墨付きの壷に何百両も出した江戸時代と何も変わりないと司馬遼太郎も書いていた。本来、壷自体に何の価値もない。

 土地代が高いことが出発点になって、日本では同じようなマンションがいくつも建っていく。
 ただ、こんな時代がいつまでも続くわけがない。既にマンションも付加価値をつけなければ売れない時代になった。まずはセキュリティや内部の設備、そしてデザイン性だ。デザインがよいことも資産としての価値を上げると理解されてきているようだ。
 今後は人口減少に伴って、より住居販売の競争が激しくなるだろう。これからの集合住宅は面白くなるだろう。それは決してデザインだけではない。設計思想から変わってくるはずだ。
 
 集合住宅を考えるとき、忘れられない2つの集合住宅がある。
1つはベルリン郊外にあるブルーノ・タウトの馬蹄形の集合住宅。ここの中庭に立ったとき、体が震えた。住宅が連なって生み出す形態が安寧の空間を生み出すのだと感激した。
2つ目はフライブルグ郊外にある・・・集合住宅。カーシェアリングで有名な集合住宅で、共用の大工道具や大キッチン、託児所など集まって住むからこそ出来る住まい方を実践する集合住宅だった。
 
日本ではこれらのアイディアは取り入れることに加えて他にも出来ることがある。それは既存の集合住宅ストックを利用した住み替えのシステムだ。現代日本人は明らかに土地と住宅に縛られている。持ち家思想が未だ日本人の中にある。
 ただ、本当に今の20代30代が1つの住宅を購入して定住したいと考えているだろうか。これは違うはずだ。ただ単に家賃を払い続けるくらいなら、購入したほうが資産になると思うからではないだろうか。
 もし、資産として所有しつつ、住宅を住み替えられるとしたらどうだろうか。
結婚して子供のいない時期は小さな住居に住み、子供が出来たら少々大きな家に、というようにライフステージに合わせて住居を住み替えられるとしたら、喜んで引っ越すのではないだろうか。日本人は住み替えるときに大体5キロ圏内に引っ越すらしい。この住み替えのシステムは街ぐるみでの構築が求められる。
 大手マンションデベロッパーも所有するストックを使って同じことも出来るのではないだろうか。法、管理の問題があるのももちろんだが、共用部屋やアネックスなど様々な空間を貸し出すことも出来るのではないか。
 これから必ず多様な住居空間を求める時代がくる。私もデベロッパーの方、構造家、マネージメントできる方、様々な仲間を集めて挑戦してみたい。



イタリアの建物は改修中のとき、その覆いに既存の建物のファサードを転写したシートを使う。これはなかなか素晴らしいと思う。だが、広告が載っていたりするので単純に賛成はできないのだが。

s-100_5349.jpg


 イタリアの車はグレーの色ばかりなのだが、ミラノに来て若干シックな青い車が増えてきた。おしゃれの街だから。

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