「日本明治の産業遺産群」の登録に当たっての雑感

 韓国が「日本明治の産業遺産群」の反対をしていたが、これに対し、日本は諮問機関ICOMOSが「登録がふさわしい旨」を勧告したのだから、専門家の意見に従うべきだと述べていた。
 「どこの口がそんな事を言えるんだろう?」
 2年前、いくつかの産業遺産は適切な保護体制が出来ていないとして、日本イコモスの専門家は世界遺産への推薦は時期尚早であるとして反対していたのにも関わらず、内閣が独断で「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産への推薦を決めた。都合の良い時だけ、専門家(イコモス)の名前を利用する。プロフェッションの軽視だ。今回の世界遺産への登録に関しても、日本イコモス委員会は蚊帳の外に置かれた。
 世界遺産委員会が迫っている現時点で、産業革命遺産が世界遺産に登録されることを望まないわけではないけれど、これまでの経緯の検証が必要。世界文化遺産を政治の道具にしたのは日本であり、将来に渡って世界遺産登録の流れに禍根を残した。しかも、軍艦島など、登録される文化遺産を今後どのように保護していくかは決まっていない。世界遺産制度にとっても、そして、日本の文化財保護制度にとっても望ましい形で進んでいない。
 登録後にお祝いモード一色になるけれど、マスコミは今回の産業革命遺産の登録によって、世界遺産の制度そのものの意義が軽視されることを報道してほしい。

 日韓併合やら、当時日本人だった方々が遺産で働いていたことが本来主題になるべきではなく、世界遺産制度を使う事によって、他の日本の文化財制度にも悪影響を与える事は避けたいということの一点のみ。僕は、単体では世界遺産に出来ないのだけれども、ストーリーを語る上で重要な遺産を世界遺産にするというものを「ストーリー遺産」と勝手に呼んでいる。産業革命遺産で語っているストーリーには1940年頃の出来事は関係ないのは確か。 世界遺産の登録はもはや度重なる政治的な横やりによって、登録するためのノミネーションファイル(理由付け)は曲芸の技になっている。 もう、どうも関係の無いところで隣国と日本が争っているのが、正直、「なんだかなぁ」という気分になる。

世界遺産は、世界遺産を通じて「人類が平和に暮らせるように」という理念をもつ。言いがかりであれ、なんであれ、争いを生むぐらいなら世界遺産にすることはないというのが一般論だろう。文化遺産の存続に問題がないのであれば、世界遺産に登録しようがしまいが、文化遺産の価値も変わらないので。
[2015/08/17 01:26] | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
【地方創生クーポン】
地方創生というバラマキ!いろいろな県で販売されているようです。今後日本を旅行する前に要チェックです。制度には反対するけれど、せっかくなので使わねば勿体ないです。知っていれば宮崎でも福島でも宿泊費が半額になったのになぁ。
http://www.tif.ne.jp/ryokouken/
[2015/08/03 23:30] | 日本 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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