イタリア日誌-「オリーブ狩りの季節」
さて、秋になると日本でも様々な味覚を収穫しますが、イタリアではなんといってもオリーブを収穫する大作業が残っています。この作業のため、近所の人や親戚、学生や季節労働者など多くの人が参加します。

 一日、オリーブの収穫を手伝ってきたのでその時の話。


 場所はサスティナブルなコンセプトで作られた農業地(PANTA REI)、ヨーロッパのサスティナブル建築のコンテストでも入賞しています。http://www.pantarei-cea.it/

 以前から知り合いが経営していたので、何度か訪れています。ここで作られた畑で野菜を取って、さっと水で洗って食べると、なぜか自分が草食動物になったような気がします。もぐもぐ、おいしい、もぐもく。畑から口に運びながらも収穫。プロジェクト発起人の建築家と会って色々と意見交換もして、建築の作り方や試みを学び。寒くないときなら1〜2週間ぐらい、牛と畑と暮らすのもよいかな、なんて思います。ここはWOOF(農業体験とか知識交流、滞在型プログラム)にも入っていており、世界各国から若者が集まってきているし、そんな動きを体で知っておきたいというのもあります。


さて、オリーブの収穫へ。
OLIVEpantarei
本当に広い畑、2000本ほど有るという。これは大変だ。

作業方法方は至ってシンプル

まず、黒いシートを敷き詰める。
s-IMAG0849.jpg
オリーブの木を囲む様に




それからバタバタと動く刈り取り機で、オリーブをシートへとはたき落とす。
s-IMAG0862.jpg

s-IMAG0857.jpg
これが結構重いし、揺れるので重労働。

s-IMAG0858.jpg
上から下に向かって降ろして行くのがコツ。


落ちてきたらシートを丸めて集める。
OLIVeitalia

s-IMAG0861.jpg


枝を取り除く
s-IMAG0847.jpg

s-IMAG0848.jpg
これをカゴに入れて終了。

昼ご飯はワイルドに、炭を地面に置いて、パンを焼くのは直に灰の上に。
s-IMAG0853.jpg

肉に塩とオリーブオイルを振りかけて味付け
s-IMAG0854.jpg


s-IMAG0852.jpg
食べる時には白い灰も降り掛かっているけれど、それも良しだ。「ワイルドだろ〜」


美味しいオリーブオイルは、油ではなく、オリーブの結晶のようなもの。

凝縮された味があって、それをかけるだけでパンが驚くほどおいしい。

これを知ってしまうと、マヨネーズやサラダ油が使えない というイタリア人の気持ちが分からないでもない。


しかし、美味しいからというのは分かるが、イタリア人は本当にオリーブオイルを大量に振りかける。
2年前まで働いていた中国でも大量の油が料理に使われていたから、油を使う国から、またもや、オイリッシュな国に移動したかぁ、なんてふと思った。

で、広告が目に入る。

「頭髪ケアには脂っこい食事を控え、頭皮を清潔に保ちましょう。」 

イタリア人、、、なるほどね。






******追記*****
イタリアではいつでも旬のものが美味しい。今の旬はなんといっても「オリーブオイル」収穫から瓶詰めまでしてから1ヶ月間だけ緑色のオリーブをギュッと凝縮したオリーブオイルが出来る。オイルというより、生きているジュース。こんな美味しいオリーブオイルもある一方で、日本で使っていた時は特別美味しいとあまり感じていなかった。大げさにいえば、ひまわりとか菜種とかオイルをつくる原料の違いぐらいでしかオリーブオイルを考えてなかった。それにはやっぱり理由がある。きちんと顔の見える農業で繋がっていないと、食の環境はどうしても悪くなっていく。いま、大きなうねりになっているスローフードの動きの背景には、こんな情けない資本構造が隠れている。


食•食材は人々の生活に結びついている。そのストーリーのある食を守る動きとして、DOP(保護指定原産地呼称)がある。(EU法の英語だとDPO)。現代では食材が土地の歴史と切り離されてしまうと、残念ながら制御できなくなる。事実、イタリア産と言われているエキストラバージンオイルは50%以上が素材を外部から持ち込まれたり、そもそも詐称していてエキストラバージンオイルですらないというニュースがあった。経済の基準のみで農業が作られると、僕らが不純物のない美味しいものが食べられなくなるということだけではなく、多くの農業が廃れてその農風景(文化的風景)も各土地の文化も失われて行われていく。つまり食を守るというのは、地域を守ることでもある。イタリアにはスローフードに代表されるような動きが多くみられる。ブランドの作り方、持続的な土地の守り方、プロモーションの方法等、勉強になる。
[2012/11/24 22:21] | イタリア | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
Kindel for Macの使い勝手
研究の為の洋書を購入するのに、取り寄せるのでは時間がかかる。amazon.itを見てみると電子版でAmazon Kindle for Macを使った電子販売があったので使ってみる。1年前から出回っているアプリケーションなのに出ていることすら知らなかった。これを無料でダウンロードすれば、amazonで売られている電子書籍は全て読める。ただこのソフトはAMAZONの海外ver.だと表示されるのに、AMAZON.JPには出てこない。実際の電子書籍の購入はamazon.usや.itからになる。(ただ同じ本を2つのサイトでレートを換算しても値段が異なるのは、ダウンロード税が掛かるからだろうか????)

 電子書籍の値段は実際の本の2/3ぐらいの値段になる。しかも、レンタルも30日単位であるので、それを使えば半額以下となる。中身を完全に読めないまま、そこそこ値段をする本を購入するのはリスキーではあるけれども仕方ない。洋書はなかなか手に取って見られるものではないから、取り寄せでも同じこと。洋書なら中身検索が充実しているだけ、日本の書籍より親切かもしれない。

 Kindle for Macを使ってみると、もちろん字の大きさや段組みを変えたり、明るさや背景の色を変えたり、メモが付けられたり、ハイライトを付けられたりする機能があってありがたいのだけれども
(1)1ページずつの表示でスクロールが出来ない。
(加えて、日本の電子書籍は本当の本をめくっているような感じにしてくれているのと比べて機械的)
(2)文章のコピーが出来ない。
(3)プリントが出来ない。
(4)翻訳のソフトは着いているのに、英英や英独、英仏、、は着いているのに日本語の辞書は着いていない。コピーが出来ないのでネットgoogle翻訳を使うにもわざわざ打ち込まないといけない。

 等、とちょっと電子書籍ならではの不満はある。もちろん、まだパソコンで洋書を読み込むのに慣れていないせいも有るだろう。とは言え電子書籍として瞬時に洋書を取り寄せられるようになったのはありがたい。

ただ、日本の大学の研究者は現品を見せないと予算が下りないので、これから研究費使用の決済の時に説明出来ないだろう。こんな所にも、日本の手続きの負担の壁がある。スピードが求められる現代、どんどん取り残されてしまう日本の状況にこんなところからも不安がよぎる。

お試しあれ。
[2012/11/17 01:36] | 建築・都市コラム | トラックバック(0) | コメント(1) | page top
イタリア日誌-81「ヴェネチア/街の質」
ヴェネチアの街中では、中国人観光客が何処にでもいる。それによって、バーや土産物屋の店主やウェイターも中国人に変わってきている。

何も国で差別するわけではなく、何国人が営業しててもよい。しかし、問題はウェイターの姿と店のデザインがヴェネチアにそぐわないほど「ださい」ことだ。バーに立つ以上、きちんネクタイとベストを付けてキリッと立ってほしい。お客が入ったら笑顔で迎えてほしい。バーの窓に手書きで汚らしく貼付けたメニューや値段表、目立ちすぎる宣伝、ピカピカ光る看板、内部の飾りも酷い。もしも過去のオーナーから譲り受けた店内の備品がなければ、もう目も当てられないだろう。商売はすぐに始められるけれども、美的センスってのはなかなか身に付かないものだ。

たとえ日本人でも、くたくたのスーツの服を来ていたサラリーマンが突然イタリア料理店を開いていても、インテリアは格好悪くなりそうだ。イタリア人のバーのセンスがズバ抜けているだけにその落差が際立ってしまう。


 土産物屋も問題だ。目立つ黄色などで値段をデカデカと貼付けてある。もっと深い問題はイタリアとも全く関係なく中国で作られた粗悪な工業工芸製品が並んでいることだ。品物を買うのではなくて、安い値段が書かれている値札を買うかのようだ。観光客の目利きにもよるのだろうけれど、最高級品のレベルはともかくとして、こんなものと競合しないといけない伝統的な工芸品の職人はいずれやっていけなくなるだろう。

 10数年前に初めてベネチアに訪れた。その当時、ベネチアは恐ろしく値段が高く、旅行者にとって非常に敷居が高かった。その後、近年どんどん中国人やトルコ人などが街に入って店を開いている。もちろん、不当に暴利を貪っていたイタリア人経営のレストランが淘汰される良い側面も有る。しかし、10年前に比べて美的な観点で言えば、街の景観が酷い状況になっているように感じる。景観ってのは、ただ単に同じ建物があればいいっていうわけじゃない。その街にはその街にふさわしいイメージがあって、僕たちはそれを楽しみに来ている。街のイメージを保つ為には、その街にあるセンスというか、共通の価値観をもった人間がきちんと運営する必要がある。それがそれが保てなくなったのならば、ルール化して質を保つ努力をしなければならない。また、新規/既存含めてダメなところは指導していく必要があるだろう。

残念ながら、そろそろベネチアもそんな時期が来ているように思う。
[2012/11/16 06:36] | イタリア | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
イタリア日誌-80「Ferrara Jazzclub」
フェッラーラで好きな場所の一つは、城壁の塔を改修して使っているJazzclub。地元民はTorrione(トリオーネ=砦)と呼ぶ。まず外観からはここがjazzbarだなんて全く想像がつかないはず。
s-RIMG1072.jpg

s-DSC_0420.jpg
夜、開いている時でもこれほど目立たない。

夏は空調がないために暑すぎて使えないけれども、涼しくなった10月から4月までがオープン期間。城壁の建物には法的には本来何の用途にも使ってはいけないはずなんだけれども、まぁ、使われているほうが良いに決まっている。1992年に城壁の改修が終わり、そのあとでこの改修した建物の文化利用に関しての提案が広く求められて、1998年にこのjazzclubが勝ち取った。建物の利用は1999年から。ここでは多くのジャズの巨人達がこれまでに演奏してきたけれども、席は100席程度と狭い空間なので、超有名人は難しいかもしれない。ただ日本人ジャズピアニストの山中千尋さんは2011年も2012年も演奏している。しかも、なんと2セッションで15ユーロ!
 観客との距離が近く、最前列とは2mも離れていない。改築の建物なので控え室もないけれども余りジャズプレーヤーは気にしてもいないようだ。千尋さん曰く、このjazzclubは音質もよく、雰囲気もよいのでアメリカでも有名で多くのジャズプレイヤーが演奏したがっているそうだ。彼女のマネージャーも、イタリアだけでなくヨーロッパで最も重要なjazzclubだよと太鼓判を押してくれた。


426639_3274040769149_252703546_n.jpeg


s-RIMG0827.jpg
 砦だったため内部は円形。真ん中の支柱があるのが残念だけどフェッラーラの拡張期1492年に城壁とともにつくられた中世から残る美しい構造。閉じられた空間が実際以上に音響を良く聞かせてくれる。防衛砦の機能として、もともとは窓があったのだけれどもナポレオンのイタリア占領時に防衛の機能は取り払われた。ルッカなどの都市もそうだが、防衛を解体される。

torrione2.png
中世の砦の機能

torrione.jpeg
西暦1900年前後



さて、Jazz clubに入るには最初にカード(15ユーロ)で作って、それ以降はなし。月曜日はエントランスフリーで音楽が聴ける。土日はミュージシャンによって値段は変わるけれども10〜35ユーロほど。
写真はjazzclub1階のバー。ライブが始まるまではここでアプリティーボ!美味しいつまみもあり、ワインも3ユーロとお手頃。週末はレストランとなっている。料理も人気で、また食事をする人は後で最高の席が用意される。
s-jazzclub.jpg
かつては武器庫だったか、それとも水の貯水タンクだろうか。天井のアーチが美しい。

s-RIMG4241.jpg
月曜日のDJ のアンドレア!(昼間は弁護士)



409272_3248758737114_1018214224_n.jpeg
JAZZ BAR のトイレの水を流すボタンのデザイン。FERRARAのJAZZBARは最高に良い!。

website
http://www.jazzclubferrara.com/#1
[2012/11/15 00:22] | イタリア | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
リオ•デジャネイロ、2014年に向けて
 リオデジャネイロは何度来ても 特別な街と感じる。。海と山も自然も大都市も全て混ざり合い成立している街。海と山と高層ビルのすぐそばに飛行場まである。奇妙だけれども忘れがたい景観。

 リオデジャネイロは2014年ワールドカップと2018年のオリンピックを控えて、街中がウキウキしているかのようだ。
貧困層の問題も以前よりは改善され、リオのファベイラ(貧困街)にはUPP(安全警察)が入ったことで今では安全になっているようだ。特にイパネマ等のビーチ近辺ではイベントを控えて安全な街をアピールするため、政府もプライベートカンパニーも多くの資金を投じている。

一方で、まだまだニテロイ(Niteroi側)のファベイラは危険なようで、オスカー•ニーマイヤーの美術館の崖の上に建った近隣住民施設を見学しようとしたら警察に止められた。30分前に銃撃戦があったとのことだ。貧困層の収入増加率が富裕層と比べてあがっているとは言え、まだまだ、問題が大きい。ブラジルの北と南では教育レベルも異なるし、まったく違う国民が混在しているかの様だ。
s-100_2810.jpg
s-RIMG3949.jpg
現代美術館(MAC)
s-RIMG3950.jpg
崖の上の公共集会場




 今回のリオでは4年前に街で偶然出会ったブラジル人の住宅にお世話になった。4年の間で二人は結婚し、男性の方はソーシャルメディア広告会社のCEOとして活躍していた。当たり前のことだけれども、誰もが知らない間に、今、この瞬間にも70億人分の物語が生まれている。
 彼の会社はまだまだ小さな事務所ではあるけれども、若い社員が10人程楽しそうに仕事をしていた。次々と新たな若い仕事へのエネルギーが生まれてきている。
 s-RIMG4010.jpg


上海で知り合った友人(台湾人、アメリカ人)とも合流。ブラジルの会社に勤め始めたらしい。人が動く時代ではあるけれど、他にもサンパウロにも移動した友人もいた。ブラジルは成長が約束されている国だ。活気がある国には人が集まる。そして当たり前のことだけれども、人が集まれない国にも活気は生まれない!
[2012/11/07 02:13] |  -ブラジル | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
世界の工事現場から01〜ブラジル〜
【シリーズ】世界の工事現場から〜ブラジル〜

工事現場で棒を持って、何をするのかと思ったら、煉瓦を棒で指して二階に投げる!あれ?煉瓦の穴ってそのために使うんだっけ?と思考が逆転するぐらい見事!

ブラジル人の建築家に聞いたら普通の事だって言うけれども、他の国で見たことないよ!
[2012/11/06 10:40] | 世界の工事現場から | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
| ホーム |