上海日誌番外編「中国から帰国して感動する事」
日本はすてきだ。

トイレには紙が備え付けられているし、

電車に乗るときはきちんと列に並んでくれるし、

エレベーターで「開くボタン」を押して先に降ろしてくれた時には本当に感動してしまった。

一方、レストランでいつもテーブル会計だったので、ふと、レジに行かなくてはならないのか、、、と思いついたときには 中国人化している自分に気付いたりする。

[2009/04/29 22:23] | 上海日誌 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top
上海日誌番外編「一時帰国」
中国の就労ビザ(通称Zビザ)。担当物件の実施設計締め切りが迫っているが、ビザばかりはどうしようもない。しかもGWとなれば中国大使館はほとんど空いていない。仕事を皆に託して一時帰国。

 さて、日本。成田空港の豚インフルへの対応でかなりの厳戒態勢。これまで何十回も成田空港を使っているけれどもこの状況は初めて。この豚インフル致死率が8%近いらしいので、このまま世界中の人が感染したとしたら単純計算で6億人ぐらい亡くなってしまう。
(もちろんそんな訳ないし、他の原因による死亡率の方が圧倒的に高いはずだから気にする必要がない。けれど誇張すると)

いきなり「明日死んでもおかしくない事態が起きている」わけで、

つまり「明日死んでも満足できる一日」を送らなければならないのだ。

それを突きつけられていることに驚愕と明日への意欲を増す。

精一杯生きなくては! (遊ばなくては)



[2009/04/29 22:20] | 上海日誌 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
上海日誌12「上海F1」
せっかく近くにいるのだからと、当日思いつきで上海F1へ。
雨が降っていた為にレースは大混乱、車が掛け抜けた後の水しぶきで車が見えないほどで、オーバーランは当たり前、クラッシュ続出のレースだった。
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ところでF1ほど観客席が点在している舞台というのは他にないんじゃないか。野球にしろ、陸上にしろ所詮スタジアムの中で行われる。ゴルフコースも広いが、F1の会場はとてつもなく広い。とてもじゃないが全体を歩く気がしない。何しろ300km以上のスピードを出して駆け巡る車を観る場所だ。この広い空間をレースカーが時間と場所を繋ぐ。

F1カーは空気を劈いて目の前を駆け抜ける。まさに目にも留まらぬスピードと轟音。耳が痛くなるほどだ。レースを観る会場はとにかくうるさい。もちろん音があまり溜まらないようには考慮しているのだろうとは思う。スタジアムのように屋根を覆ってしまえば音が反響して耐えられないほどの爆音がどこかに集中してしまうのだろう。コンサートホールとは逆の発想が必要。吸音装置も必要ではないか。脱線するが、竹中工務店の研究所を見学させていただいたとき、そこに無音室があった。音がまったく響かない、それどころか吸音されてしまう空間。耳の中の空気が吸い取られるような、世界の音がこの装置によってなくなってしまうのではないか、なんて思うほど。(村上春樹の小説に出てきそうな話だ。)
 吸音装置を使ったら、耳が痛くなくなるなぁと夢想したが、この轟音もF1の楽しみの一つ。耳が痛ければ耳栓をすればいいのだ。建築でやるべき事、端末で調整すべき事、当たり前だけれども、それを分けて考えるべきなのだ。



[2009/04/19 22:12] | 上海日誌 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
上海日誌-11「打ち合わせ、駄文」
上海に来て2週間。中国の設計状況も中国語も分からない状況なのだが設計はできるものだ。 事務所の信頼を得る事が出来たのかどうかは分からないが、ほとんどのプレゼンテーションを私に話させてくれている。

打ち合わせの相手はプロジェクトのクライアント側社長、その他,と私たちの会社を含めて総勢12名。もちろん中国語が理解出来ないのは私一人。

説明時には付け焼き刃の中国語では、役に立たない。打ち合わせも昨日決まって、すぐに今日見せてくれ。という状況だ。資料は万全としても中国語訳は間に合わない。通訳を介して、話してもらう。自分の言葉で伝えられないのはもどかしいし、そして、なにより辛いのは全く相手が話している事を理解出来ないことだ。

 後から聞いてみるといくらだって説明出来るのに。。と思う。

もちろん中国語が話せないのが悪いのだ。


 中国での仕事は打ち合わせの連続だ。話をして仕事が進む。
クライアントの人が事務所に立ち入っては、いろいろ聞いてくる。

はっきりいって時間の無駄なのだが、みんなちゃんと応えているのだ。
しかし、結局オフィスに訪問する彼らは権限を持たない。どこの会社もそうだと聞いたが、結局トップの一言で決まる。

昨日の提案も、機能的な面から圧倒的に改善面のある提案を自信を持って説明し、一時期まで絶賛を浴びていたのだが、なんだか分からないうちに却下となった。
よくよく聞いてみると民防の再申請が面倒という担当者がボスに耳打ちしていたらしいのだ。
(民防・・・中国の建物の地下部分は商業部分以外、戦争時の防空壕となる。)

非常にもどかしい国だ。打ちのめされてしまう。

建築家の職能として、どうしても使う人のことを一番に考える。自分を少しでも通して出される建築は愛されるものであって欲しいとおもう。しかし、それを達成しようと思えば思うほど衝突してしまう。全てを放り投げて、望まれることだけをやればいいのか、、。中国に来た日本人がみな悩むことだろうと思う。


 中国では信頼が一番大事だ。日本の場合は時間を守ったり、仕事のきめ細かさやデザインによって信頼を勝ち得る。しかし、中国は信頼というより友情という意味合いが強い気がしている。

現在、一緒に仕事をしてくれている中国女性スタッフとの関係はいまいちつかめない。彼女らは遅刻をし、本を読み、談笑し、6時には帰ってしまったりする。忙しいはずでは?と思うだけれども一向におかまいなしだ。紙を切る事を頼んでも「私の仕事ではない」なんて断られてしまうことすらある。まだまだ、彼らとは中国的な友愛を得ていないのだ。
 これまた以前のボスがブラジルで働いていたとき、女性の髪型が変わったときに気付いてあげて「きれいだ」と言ってあげないと一週間は機嫌がわるくなってしまう、といったようなことを思い出す。


そして、昨日。クライアントにチームが招待されて食事会をしてくれた。中国式のことあるごとの行う乾杯の嵐。チームの仲間とも沢山の話をした。すこしづつこれから本当のチームになっていくことだろう。
[2009/04/18 22:26] | 上海日誌 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
上海日記-10「遺体はどこへ消えた?」
話は前後する。
4月4日は中国の祝日だった。日本で言うところのお彼岸の日にあたるらしい。清明節という。
いま宿泊しているホテルの近くには上海の烈士のための記念施設があり、その周りには遺骨が埋められている。記念感は中国の為に亡くなった烈士を追悼するために、そのものズバリ、ピラミッドの形態をしている。非常に分かりやすい。(笑)

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この日はこの場所に献花をする人が多く見られた。
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しかし、

しかしだ。

上海の人口や歴史に比べて、はっきりいって街中でお墓を見る事が少ない。

???

そう、これにはきちんと理由がある。

そう。文革の時に市内のお墓は撤去されてしまったのだ。
1966年の文革以降、上海の葬儀館は閉鎖を余儀なくされた。
約40万基あった墓地は近衛兵たちによって破壊されてしまったという。

恐ろしい話だが、掘り起こされた遺骨は一体どこに行ってしまったのだろう。


思えば人の死を悼む習慣というのは、七万年前のネアンダール人の時代からさかのぼる事が出来る。いつの時代でも故人を思い、自分が亡くなっても自分が生きてきた証が残るという「心」が人を人足らしめていたのだろう。

さて、人口が多くなり、土地の少なくなった現代中国。BROSによれば政府は今、海葬に力を入れているらしい。これまでに数千人の遺灰が海に流されたと言う。海葬の参列費用は一人150元、しかし、遺族には400元の手当が支払われるのだという。しかも、指定のインターネットサイトでブログを立ち上げて、バーチャル線香をあげることもできるのだという。

土地の有効活用と言えばそうなのだが、これにはさすがに閉口する。葬儀やお墓は人を人足らしめていた祖先を思う死の儀式。人間がコミュニティの中で暮らす為に培われてきた技術であり、慣習だ。これがなくなるのは現代人が人のコミュニティを捨てることにならないだろうか。そう考えると文革時代と同じように現代に恐ろしさを感じてしまうのだ。

ちなみに僕が死んだら、遺灰はガンジス川に流して欲しいと友達に頼んでおいた。
僕が亡くなるときにはガンジス川には遺灰は流してはいけないことになっているのだろうか。
[2009/04/15 23:14] | 上海日誌 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
上海日誌-9「携帯購入」
仕事でもプライベートでもなくてはならないのが携帯。特に中国はどこでもいつでもだれもが電話している。エレベーターの中にも「バリ3」ならぬ「バリ5」表記すらある。この国ではいつだって、どこだって携帯電話が優先される。

 さて、携帯を購入するには日本のシステムとはちょっと違う。まずは本体を購入し、SIMカードを購入し、プリペイド形式でお金を入れて使う。
本体はあちらこちらで売っているのだが、お金持ちほどいい携帯を使うらしく、ピンからキリまでさまざまなものがそろっている。安いのは1500円ぐらいから10万円以上のものまでだ。
 結局、インターネットで買うのが安いらしいので、ネットで購入。

さて、次はSIMカード。つまり電話番号だ。
 この電話番号、これまたどこでも売っている。街角のキオスクで売っているのだ。番号が模造紙にかかれて張り出されている。ちょっと前までは宝くじの当たり番号なのかと勘違いしていた。
番号はゴロが良かったり、数字が並んでいるものほど高くなる。安いものだと150円ぐらいから数十万円のものまである。
 番号の専門店も各所にあり、中国の商才のたくましさを見ることができる。
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まぁ、携帯を買ってもまだ掛けてくる人はほとんどいないので、邪魔なだけなのだけれど。。
[2009/04/15 01:14] | 上海日誌 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
上海日誌-8「蘇州」
全身筋肉痛の体に鞭打ち蘇州へ。
電車の切符を事前購入していないと中国国民大移動の波に揉まれることを再確認する。
実際には北京と上海は新幹線で結ばれていて非常に快適に移動出来る場所だ。今まで中国を旅していてゴッツイ形態の電車しか見ていなかっため、東海岸沿い都市の発展に驚く。未だにロバとかトラクターが主交通の街も西には有るのだ。なんと言う格差。上海にはリニアモーターカーすら実現している。

 新幹線にて蘇州へ。何本か待たされたが、乗ればわずか40分ほどで到着。蘇州には中国4大庭園の内3つが集まっている。蘇州は庭園巡りのために訪れた。
中国式の庭園は自然を模す。決まった形がなく、それぞれに特徴がつけられる。軸線を作り自然を支配するかのような西洋の庭園やアラビアの庭園とは大きく異なる。日本も大きく分ければ中国式の庭園ということになるだろう。

拙政園を見学。中国の庭園は回遊、石材、水が強く意識されているように思う。どの庭園も水と共にある。日本の禅寺の庭のようなこじまんまりとた風流はない。しかし、桃源郷を表現した一つの極まりもある。春うらら。のんびりスケッチをする。

獅子林の動線は面白い。拙政園と比べれば小さな庭園だが、中央の島に立ち入ると動線が上下左右に曲がりくねる。トンネルもありそれを通る事で一時の狭さと出た後に庭園広がりが生まれる。高低差をつけてしかも動線の向きを変える事で庭園の様々な風景を見せてくれる。しかも、石で作られた洞窟、階段のため、自然と歩調もゆっくりとなる。無駄と言えば無駄な動線が、空間を広げ、豊かにしていた。
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(いい写真ではありませんが獅子林。右側の島内部の動線が興味深い)


いくつか他にも見学。
新幹線の帰り切符を購入出来ずにいたので、ゴミだらけの遠方からの満員車両に立ち乗り、上海へ。わずか15元。200円程度。公共交通が異常に安い。

[2009/04/12 23:18] | 上海日誌 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
上海日誌-7「屠殺場のリノベーション~1933~」
中国人とのサッカーに疲れた体に鞭打ち、屠殺場の改築を見学。
これはおそらくまだ日本に紹介されていないのではないだろうか。

場所は地下鉄4号線で上海駅から2駅、海○路駅(xailun Rd.S)から歩いて10分のところにある。
住所はNo.10 Shajing Rd。Haining RDからも近い。周辺は里弄が立ち並ぶ上海らしい下町の風景。普通観光客は訪れることはない場所だ。

この建築は屠殺場にも関わらず異常にデザインされている。
外観はとても屠殺場とは思えない。洗練されたデザイン。何の為にここまでデザインしたのか。
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外観の柱
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RC建築ながら、建物自体が芸術作品となっている。なかなかこんな素晴らしい建築には出会えない。私の中でのRC建築造形の最高峰、ドイツにあるルドルフシュタイナーのゲーテアヌムほどにはいかないが、久しぶりに肌がピリピリする建築に出会えた。


内部はまだ出来たばかりのためか、ショップは完全に入りきってはいない。イベントに使う事が多いために大きな部屋も何も使われていないものも多い。



中央のホール。4つの螺旋階段が中央側に曲線を描く。非常に階段が多い建物で迷宮のよう。
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中央の建物と外周の建物との動線が入り交じる。この建築をどう使っていたのかとても興味が沸く。
ブリッジの断面も秀逸。明らかに構造のためではなく、意識的なデザインが働いている。
これをデザインした建築家は間違いなく天才の部類に入る。
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改修の仕方も見事。照明はRCの力強さをなくさないよう天井にはほとんど照明を作らず、隠れたところにアッパーライトでほとんど対応している。
サインも秀逸で、トイレのサイン、牛の通り道(急傾斜のスロープ)を示すサインなど素晴らしい。
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内部はグレードは高く、サインはポップだが○。

 元屠殺場の中にはデザインの会社も多く入るらしい。私がいたときにもこの場所で何人もの新郎新婦がカメラマンを引き連れて写真撮影をしていた。(この場所を使って写真とはいいのが撮れるだろう。日本や海外のCMにもすぐに使われるようになるだろう。)

 ちなみにこの建物の中には高級飲食店も入っているので、屠殺場で食事なんてのもいいだろう。
上海に来る建築関係者は絶対来るべき場所だろう。力強い建築のオーラに満ちた空間だった。


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[2009/04/12 00:28] | 上海日誌 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
上海日誌-6「春が来た」
寒かった上海にようやく春が来た。空気も汚いし、淀んでいるのであまり爽快さはないのだがようやく寒さが和らいだ。

 4月の初旬でも上海は寒かった。特に部屋の中が寒いのだ。暖房は付けても弱いし、そもそもつけても効果が薄い。
というのも、中国の建築基準法には上海以南には断熱材を付けなくてもいいらしく、中国なので「当然」お金のかかる断熱材など使わない。壁はレンガを積んで、その上にモルタルでしごいて塗装を塗っているだけだ。それゆえに建物の中の気温と外気の温度は変わらない。

  壁も薄ければ、天井だって薄い。
100mほどのビルでも、天井のスラブ厚わずか50mmという訳の分からない寸法で成り立っている。配筋は当然シングルだし、かぶり厚など考慮に入れているわけがない。外見はしっかりしていても中はどうなっているかわかったもんではない。

 こんな設計と施工が許されるのにもいろいろと事情ががある。例えばプロジェクトを一貫してみる(日本で言う)建築士事務所がなく、ゼネコンもない。全てデベロッパーが監督する仕組みになっている。CM(コンストラクトマネージャー)やらPMを入れた方がいいのではないかと思うが、デベロッパーの袖の裏の仕組みがあるらしく、それらを使わないようだ。設計の体制や仕組みについても日本と異なるのも大きな理由の一つだ。これについてはまた報告したい。

 設備に関しても、いい加減なものが多い。しかも、工程表にそって業者が連携して入るのではなく別々に発注しているため、床の仕上げを全てした後に天井をはつったり、電気をつけるなど、、順番がめちゃくちゃだったりもする。正直、あぜんとするような話ばかりだ。

中国という国は表層は取り繕うけれども、中身は、、、、、というケースが多い。建築もしかり。頭が混乱する日々だ。





[2009/04/11 03:15] | 上海日誌 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top
上海日誌-5「打ち合わせデビュー」
夕刻、突然クライアントが事務所に訪れたと思ったら、次の日の朝に上司に説明して欲しいとの要望があった。慌てて資料をまとめて、いざ打ち合わせに。

 入社1週間。というか、未だ正社員でもないのだけれどもなぜか大部分を私が説明する事に。
内容は通訳してもらって伝える。要点を明確にして、あとはスケッチさえ有れば何とかなるものだ。しかし、相手が言っている事がさっぱり分からない。

 自分の提案が通っているのか、悪いのか、さっぱり理解出来ない。クライアントが10分以上話し続け、退席。。。。

 なんともしがたい状況。言葉の壁を思い知る。

あとから日本語の出来るスタッフに聞いたところ
 長々と話した事はほとんどは技術的な話であったり、たいした内容ではなかったとのことだ。中身については大まかには案に賛成していていただいたようなのだが、いくつかの点で納得していないという事だった。
 もちろん、その場で聞いて理解していれば説明をする事もできたのに、、、と言っても自分の中国語が出来ないのが悪い。

内部の打ち合わせも大変。常に通訳を挟むから時間が2倍かかってしまう。さっさと中国語を学ばなければ仕事がコントロール出来ない。

P.S.
中国の法規ややり方、考えられない施工法など少しづつ学んできたので、今後少しずつ紹介していきます。
[2009/04/10 00:25] | 上海日誌 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
上海日誌-4「shanghai sculputure space」
 Shanghai sculpture space へ。
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出来たばかり、というか現在進行中のプロジェクトのため、ガイドブックにもほとんど紹介されていないと思う。
 北京の919のアートスペース程ではないが昔の工場を利用して巨大なギャラリー集積場を作っている。
 中庭の広場には彫刻作品が多く展示され、家族連れの憩いの場にもなっているようだ。
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この広場の両側には人工的に作った斜面が見事に配置され、心地のよいまとまりを作っている。特に入り口から遠い側の斜面は建築の屋上として設計されている。ランドスケープとして成功している。
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 工場や倉庫を改装した建物は古いレンガを残しつつ、味わいのある建物となっている。

 新しい建物も形態操作をしながらも、品良くまとめている。奥まったところにもギャラリーばかりではなく、アート関係の事務所も多く入っている。
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 上海は街中の古いアートスペースが有名で有ったが、このshanghai sculputure space も今後どんどん発展していくだろう。

開発の中、古いものがどんどん壊されていった。しかし、この倉庫や老房子(ラオファンズ)等、古いものが価値を生み出すことがようやく一般化してきたようだ。里弄群をリノベーションした秦康路(タイカンルー)なども成功例だが、住宅を改装してすむスタイルも外国人には人気で設備が悪い物件も賃料も高騰してきているようだ。
 この動きが中国全土に波及するか。テーマパーク化をしないでうまく残せるか。アートスペースとしての利用以外にも道をつくりたい。今後に期待だ。
[2009/04/05 22:48] | 上海日誌 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top
上海日誌-3「中国人はなぜうるさいか考察1」

 中国では中国語が話せないと話にならない。仕事はおろか、街中でも中国語が話せないとちっとも面白くない。
 そのため私も遅まきながら中国語を勉強し始め、電車でもどこでも中国語のテープばかりを聞いている。中国に来て初めての休日であっても、中国人の方に教師をお願いして中国語を教わる時間をつくる。さっさと中国語を覚えないと仕事にならない。
 
 中国語を勉強すると分かるのだが中国語には4声(ピンイン)なるものがある。あの「マー」でも マー↑とマー↓ では全く意味が異なると言う例のあれだ。

しかし、この4声を意識して話すとどうやったって声がめちゃくちゃ大きくなる。そうなのだ。

『中国語はでかい声を出さないとしゃべれない言語』なのだ。

中国人は常にうるさい。そんなに怒鳴る必要がどこにあるのか分からないと思っていた。ひそひそ話をしている中国人を見た事があるだろうか。嘘だと思っても、見た事はきっとないはずだ。形而上はおろか、現実であってもだ。たぶん、中国人のひそひそ話はフランス人が風邪を引くとフランス語が話せず、オランダ人が痰が詰まらなくなるとオランダ語が話せなくなると同じ程度の話なのだ。もちろん僕はそれが事実かどうかは知らない。

 つまり中国語の発音の勉強には、大声を出しても恥ずかしくない環境か、大声を出して聞かれても恥ずかしいと思わない気持ちが重要なのだ。

 
 中国人の声が大きい理由はもう一つ。自己主張が強い人が会議で声が大きくなるように、自己主張の強い国民の言語は音が大きくなる傾向がある。それは英語であろうが、なんだろうが世界の言語を聞いて歩いてそう感じている。
[2009/04/05 21:55] | 上海日誌 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
上海日誌-2「Google Sketchup」
 中国で使っている建築設計ソフトはAuto cadの中国版とスケッチアップ、それからフォトショップ程度。この3つでほとんどの仕事を回している。

 macユーザーかつ、ベクターワークスユーザーである私にとっては過酷極まりない状況だ。スケッチアップに関しても、中国の事務所では超ヘビーユーザーだ。紙に印刷せず、図面を書く人とは別の人がひたすらひたすらスケッチアップを使ってデザインを決めていく。

 詳細な部分にいたるまでスケッチアップで作るのだ。


 そのような手法をとるのには理由がある。
こちらでは設計図書を提出できるのは設計院に限られており、基本的に民間のデザイン会社ができるわけではない。設計事務所は日本で言うところの基本計画レベルまで作成し、そこから設計院に実施図面(日本とは雲泥の差)を作ってもらうことになる。

 (日本の実施設計から考えれば)お絵かきに近いデザイン設計でそのまま実現していく。
プレゼンテーションの段階ではよくても、実際に建設されるクオリティはイメージとはかけ離れてしまうこともよくあるだろう。実際に街を歩いていて目につくのは、形態操作ばかりに力を入れた張りぼてのようなデザインだったりする。

中国でしか出来ないデザインもしたいと思う一方、ハリボテにならないよう気をつけなくてはならない。



[2009/04/04 23:39] | 上海日誌 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top
上海日誌-1「上海建築狂騒曲」
設計への期待を胸に上海に来て一週間。事務所とホテルの往復のみの生活だ。

旅行できたときは寸暇を惜しんで、あちこち見に行ったものだが上海に長く滞在すると決めてしまうと、そんなに焦る気持ちも出てこない。

  事務所で関わっている仕事は計画スタートから1年ほど続いているホテル、商業、集合住宅、オフィスが入った巨大コンプレックスだ。その形態たるや、明らかに中国ではないと実現できそうにない。あまりに複雑。(というか、設計と空間の効率が悪すぎて日本では実現不可能)

 そのプロジェクトの進行状況が滞っているため、入国2日目にして、複雑怪奇な全体計画やら同線処理、立面、ホールのコンダクトをいきなり任される。


 PS(パイプシャフト)の処理はどうするのか、構造は、、、メンテナンスは??と考えていてもどうしようもない。中国では日本の常識は通用しない。こちらでは50mmのスラブ厚が当然のようにまかり通る。
 中国人スタッフと通訳できるスタッフを交えて、議論、検討。正直なかなか決定しない。できる理由よりもできない理由を並べてくる。設計の経緯も言葉もわからないため自分も仕事の中で立ち位置を見失ってしまいそうになる。それに最後は 中国的な趣味趣向も関わってくるのだから、形態をいじくれそうもない。


 また別の項目で書くが中国では設計手法も大きく違う。
 とりあえずこの一週間で出来た事は図面を頭に入れたこと。少しはスタッフの信頼を得たこと。わすかばかりだけれども進歩だろう。来週から忙しくなりそうだ。

 今日は土曜日。中国人スタッフは忙しくても定時より遅く来て、定時には帰る。休日はもちろん休む。仮社員とはいえ、日本人の私は誰よりも早く来て誰よりも遅く帰ったりする。暗中模索。設計と取り組む日々。
[2009/04/04 23:36] | 上海日誌 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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