[080731]Mt.Sinai → Dahab
 シナイ山を下山する。明るくなってみてみると暗い中分からなかったが大勢の人間が山頂にいた。日本からも修道女さん達が団体で登っていた。ひらひらしたあの格好で登るのだから尊敬する。高齢な方にはそれなりに大変な登山だ。
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西洋人達は朝日を受けて聖歌を高らかに歌っていた。


バスにて紅海沿岸に再び戻る。紅海最先端ダイビング拠点のシャルム・エル・シェイクがあまりにも高額になってしまったため、バックパッカーはそこから1時間半に位置するダハブに移った。ダハブはそうやって発展した。シナイ半島の東側に面した街だ。なにかタイのリゾートのような雰囲気を持っている。

 紅海沿岸の町に来たのは、もちろんスキューバダイビングをするためだ。紅海は世界一透明度の高い海の一つとして知られている。ただ、9年前、紅海に面したハルガタという街からダイビングをしたとき、それを実感出来なかったために僕は再び紅海に戻ってきた。
聞けばハルガタでビーチエントリーのダイビングだったせいもある。ハルガタはボートダイブがメインだった。

ダハブで有名なダイビングスポットと言えば、ブルーホールとキャニオン。どちらも深度30m程度まで潜るためにオープンウォーターのダイビングライセンスでは不可能だと言う。どのダイビングショップでも同様だ。アドヴァンスのライセンス、ないし、ディープダイブスペシャリティを所有していないと行きたいスポットに入れない。
当初、ダイビングをし続けるボートサファリを予定していたが、タイミングよく見つからないこともありアドヴァンスのライセンスを取ることにした。それは、ライセンスを取るときに同時にブルーホールとキャニオンのダイビングスポットに入ることが出来るからでもある。ライセンスは一生使えるのでそれも悪くない。そして少し旅行のペースを落として旅をするのもいい。


夜は永らく宿にいる日本人に誘われて、韓国人と共に砂漠の中でバーベキュー。燃えそうなものを集めて火を熾し、炭を熱す。網に「どでん」と魚を入れて、炭の遠赤外線で魚を焼く。サバの姿焼きだ。荒野の中のバーベキューはヨーロッパの旅から考えると異質な風景だった。

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ヨーロッパの旅にはない、アジアの旅の匂いがした。

[2008/07/31 01:11] | 世界一周旅行 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
[080730]sharm el shakh → Dahab
ノンビリできない性格なのだが せっかくのリゾート。プールでのんびり優雅に過ごそうと試みる。人間観察だ。
 イスラムの女性はリゾートのプールでも肌を見せない。黒い服、頭にスカーフを巻いたままプールに入る。肌を見せてはならないのだ。しかし、泳ぎにくそうだ。ただ、よく見ると水泳用に軽量化されているような人もいる。
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 肌を見せてはいけないなら、オリンピックで問題になったあの鮫肌の全身スーツにスイマズキャップを被ればいいではないか。誰でも思いつくがこれも失敗。体のラインも見せてはならないのだ。何人かの若い子たちはTシャツの上から水着を着ていた。
 イスラム圏で女性用水着は需要がないのだろうか。日本での毎年の新作が出て販売されるのとは大きな違いだ。
 しかし、需要がないわけではなく開拓されていないだけではなかろうか。イスラム女性をターゲットにした水着ブランドが立ち上がってもよさそうなものだ。イスラム圏で泳げる女性はよほど海に近いか、裕福な家庭かどちらかだ。となれば、裕福そうにターゲットを絞り、ミズノ社はプラダやルイビトンなどのブランドと組んで販売すべきだろう。体のラインを見せずエレガントに、そして速乾、軽量の機能性を備えた水着だ。もちろん、素人の浅知恵。既に考えられているのだろうが未だ聞いたことはない。


**追記**
実際にはこんな感じの水着ショーが行われているらしい
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***


 シャルム・フ・イエフを抜けて、ダハブへ。
今日はノンビリと一日を過ごしていたので、夜は活動的にということでシナイ山へ登る。シナイ山はモーゼが十戒を授かったところだ。そして富士登山のようにご来光を見る。
 頂上は2250mなので登頂まで少々登るが星が降る夜を満喫しながら歩ける。周辺は木が一本も生えない岩場であり、空気も澄んでいる。久しぶりのミルキーウェイだ。
 
 少しづつ赤らんで、地平線は黄色くなり、ついに白く輝きオレンジ色の輝きが顔を出す。この光の中、十戒は石に刻まれモーゼに手渡された。
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頂上には十戒が置かれている。
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漢字が微妙だが。

[2008/07/30 22:59] | 世界一周旅行 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
[080729]Dublin →sharm el shakh

今日はエジプトへの移動日。アラビア語を覚えなおさねばならない。
1,2,3とアラビア数字とはいうけれど、アラビア諸国では数字も違う。読み方のみならず数字の書き方自体が違う。これを覚えなければ旅は出来ない。ワーヘド、イトネーン、タラータと呪文を唱えるように数字を覚える。大変だが一度覚えれば、アラビア圏は全て同じだ。
 
 車のナンバーもバスの表記も、値段も全てアラビア数字。ミミズののたくった文字のようなアラビア文字は無理でも、数字ぐらいは必須。
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 シャルムシェイク。エジプト随一のリゾートでヨーロッパ人に人気の高い場所だ。たまには高級リゾートも良い。夜遅いので宿を予約しておいた。
本当は物価の安いダハブへ行く予定だったが、夜中にはバスはないためシャルムシェイクに宿泊をしたのだ。ただ意外にも多くのバックパッカーは空港到着後にタクシーでダハブへ向かうようだった。タクシーをシェアできればダハブの宿代は安く、時間も節約できるだろう。そこまで勘が回らなかった。
とりあえず、私も市内へタクシーを他の観光客とシェアして向かう。交渉しても殆んどエジプト人は譲らない。全くエジプトとしては法学な値段だが、ヨーロッパ生活が長く金銭感覚が寛大になっていている。学生の頃は高いお金を出す日本人がいるから自分たちの交渉が大変になると、不満に思っていた。だが、28歳にもなると、どうでも良くなるときもある。こうやって現地に溶け込まない、堕落した旅人になっていくのだろうか。



シャルムシェイクはイスラエルが軍事拠点として造営した街だ。そのため道路基盤が軍事的な広さで確保されている。街は広がりきっている。中心市街はあるが基本的にホテルは地域に分散し、各ホテルでコロニーを作っている。夜空からそれを眺めると中心のプールが青白く光っているのが見える。はっきり言って異質な街だ。


シャルムシェイクにはエンターテイメントがある。中心の広場では夜ダンス、マジックショーなど行われている。日中が暑すぎるため、人々は夜中に活動をする。街は夜中の1時半を過ぎても普通の商店が開いている。ショーもその時間やっている。子供たちもその時間に元気一杯に駆け回っていた。
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 ツーリスト以外の物価はヨーロッパに比べて大分安くなる。やっと安心して買い物が出来る。ただ、値段が書かれていないしいちいち交渉がメンドクサイ。ただ、イギリスを抜けてきたバックパッカーには怖いものはない。殿様気分でタクシーに乗れる。金があればもっともっと楽しめる。シャルムシェイクはそんな観光地だ。
[2008/07/29 19:36] | 世界一周旅行 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
[080728]Dublin
 平日のトリニティカレッジへ。ダブリン中心部の歴史ある大学で図書館などは観光客が押し寄せるスポットになっている。ケール書物を集めた図書館と、幾つかの現代建築を見学。
設計者の・・はルイス・カーンに師事し、イエール大学内のブリティッシュミュージアムを担当したらしい。その経験が見事に設計に反映されている。コンクリートの割り方やつややかな木目の見せ方、形態にも様々な建築言語が含まれ秀作だった。
 
ギネスビール工場へ。
この工場の場所は1759年よりギネス社が9000年の期間契約で土地を借りている。
Jameson&sonアイリッシュウィスキー工場へ
 ウイスキーは蒸留酒。お酒の造り方の原理は焼酎とほぼ同じ。焼酎を造ったことがあるので、英語の専門用語による説明もなんとなく理解できた。これまでアイリッシュウィスキーはそんなに意識して飲んだことがなかった。しかし、ツアー最後のテイスティングではスコッチ、アメリカ産ウィスキー(ジャックダニエル)と飲み比べその味の違いを知ることが出来た。
 アイリッシュウィスキーの特徴は実に滑らかな口当たりで、香りも柔らか。
 スコッチは泥炭で燻してあるせいで臭みがある。もちろんこれスコッチの特徴であり、それが美味しいといわれるゆえんでもある。バーボンはとにかく匂いも味も刺激が強い。一言でそれぞれの違いを言うとそんな感じだ。
 Jamesonの工場で飲んでいるからだろう。アイリッシュウィスキーが一番美味しく感じられた。
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 明日は禁酒国(アラビア諸国)に旅立つ。飲み残しのないように飲んだくれた一日だった。
日が長いということは、夜が来る直前の碧く美しいブルーモーメントが長いということ。美しい時間帯。これともおさらばだ。
[2008/07/28 19:20] | 世界一周旅行 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
[080727]Dublin
 ダブリンはロンドンと同じくレンガが黒い。排気ガスなどのせいも多少あるかもしれないが、灰色の空とはよく合うのは気のせいだろうか。

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ダブリンから北に60kmほど行ったところにあるKnowth, Newgrange巨大墳墓へ。ここの墳墓は5000年以上前に造られた。エジプトのガザのピラミッドよりも500年ほど早い。この時期にこれを作れるということは、それだけ組織的な集団が作り上げられていたということ。ヨーロッパから離れた、最果ての土地でこれほどの文明があったとは驚かされる。
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この墳墓は時代を超えて祭事などに利用されてきた。この墳墓で驚嘆すべきは粘土質の土と石を積み重ねて造った高度な建築技術のみならず、天文学にも精通していたことだ。

アイルランドは寒い。春の訪れを待つ気持ちは日本人のそれを超えるものだろうと思う。ニューグリンジの遺跡には、冬至の日、たった一日だけ17分間光が差し込むように設計されている。この光が差し込むことは世界に春が訪れることを意味する。冬至の一番日が短い日。そしてこれから日が長くなって行く日。冬至の光は彼らにとって特別なのだ。年に一度だけ、5000年前から5000回だけの光。

 たしかピラミッドも夏至のたった一日だけ光が差し込む場所があったように思う。アイルランドではその逆だ。寒冷地という環境がそうさせたのだろうか。世界中の遺跡を見ての傾向だが、寒いところは春を待ちわびて、春に向かう日の冬至の光を使って設計するし、暑い地域は豊穣の秋を待ちわびてか夏至の光を設計に取り入れる。
 
 日本にいても夏至の日、冬至の日にふと想う。この世界の多くの場所で、たった今日一日だけ光を浴びている遺跡があるはず。未だに見つけられていない遺跡もそのたった一度の光を待ちわびているのだろう。世界には奇跡の光がある。
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 テンプルバー界隈でスケッチをしていたら、通りすがりの観光客に似顔絵を描いてくれと求められる。快く承諾して描いて手渡すと、お礼に5ユーロ渡された。5分かかるよ、といったところ勘違いされたのかも知れない。お金は要らないと断ったが、これでうまいビールでも飲んでくれ。といわれ、強引にねじ込まれた。彼ら曰く、私の新しい仕事だそうだ。
 うむ、似顔絵職人が新しい仕事か。悪くない。しかし私の腕では到底本職には出来ないよ。

もらったお金でアイリッシュダンスのバーへ。アイリッシュダンスは飛び跳ねるように踊るダンスだ。日本でもリバーダンスの上演などがあった。このダンスは手は使わず足を華麗に動かし、白鳥にように踊る。手だけで踊るパラパラの正反対の踊りだ。、ということは、アイリッシュダンスをしながら、パラパラを踊ったら、、、最強と言えるのではないか!

(いや、まてまて、インドの首とペルシャの腰、日本の手首などダンスは奥深い。これを全て組み合わせたら、、、、間違いなくすごいけど、美しいかは別だな)



それにしてもケルト音楽は心を躍らせ、ビールを促進する音楽だ。ドイツ民族音楽といい、ビールと共に聞く音楽には何か特別な音階、リズムがあるのだろうか。
[2008/07/27 07:31] | 世界一周旅行 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top
[080726]Dublin
 朝からボリューム満点のブリティッシュブレックファストを食す。この宿は小泉八雲が滞在していた宿だ。「小泉八雲」。もちろん日本人以外は誰も知らない。
 
 2002年に増築されたBenson and Forsyth設計の国立美術館、歴史博物館を見学。イギリスと同様にアイルランドも無料であるため助かる。中心から離れた現代美術館も見学した。ここはロイヤル・ホスピタルを用途変換して作られた。外観は現代美術館らしくいが、利用の仕方がうまい。歴史博物館にある泥炭湿地で発見された遺体は一見の価値あり。エジプトのような施術を施すことなく、自然の力によってそのままの形で固められている。

ダブリン新市庁舎を見学。市庁舎前の広場ではスケーター、ブレイクダンス、BMW、スプレーアートなどいわゆるストリート系のイベントが行われていた。ハーフパイプが作られ、階段にはジャンプ台、ステージにはブレイクダンスの大会が行われている。DJブースから音楽が鳴り、ダンスバトルとなる。
しかし、ここは市庁舎の庭である。日本だと政治家はストリート系の毛嫌いする傾向があるが、ヨーロッパでは若い連中にも実に寛容だ。ヘルシンキの現代美術館キアズマのように、当初からハープパイプなどを組み込む計画すらある。
 いつもは端っこに追いやられがちなストリートボーイが活き活きと舞台を争って使う。観光客も混じって多くの観客が集まる。プロでもない普通の少年たちが主役となる。見ているほうも参加するほうも楽しく、予算も多くは掛からないイベントだ。
 ダンスバトルでは8歳ぐらいの男の子と25歳ぐらいのダンサーと戦うこともある。勝敗は観客の声援の大きさによって決まるため、男の子の初々しさに拍手喝采。勝利することもある。ちと大人ダンサーにはかわいそうだが。
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テンプルバー界隈を探索。ヒューマンスケールで造られたアート情報基地となっている。バーやイベントも多く、ツーリストでも賑わう。広場ではどこでもフィルムセンターやギャラリー、写真収集センターなど様々な文化施設が造られたが、既存の都市に小さな単位で埋め込まれている。この再開発計画によって取り壊された建物はたった1つだけだという。
夜にはテンプルバーにあるBrand New Projectの建物でダンス、芝居を鑑賞。この場所はこれまでの枠に収まらない実験的なアートパフォーマンスを劇団、客に提供する場所となっている。いわゆるアングラアートのためクオリティにばらつきがあり、今日はわけのわからないものも見せられる。しかし、こういう場所に出資するパトロンがいてこそ、新しいアートが生まれる。やはり欧米の金持ちはアートに理解がある。


 アイルランドのパブは最高だ。昼も夜も時間によってバンドの生演奏がある。店に雰囲気があり、そしてフレンドリーだ。夜はみんな浮かれている。おばちゃんも光るウサギの耳をつけて楽しく踊っている。アイルランドの一人当たりのビール消費量はドイツに次いで2位だと聞く。それはビールが美味しいだけではなく、ビールを取り巻く楽しい環境が作られているからだ。
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 ドイツではオクトーバーフェストに行った。これは世界最大のビール祭りだ。広場にはビール会社各社からいくつものテントが張られる。2000人以上入るテントの中にバンドの生演奏があり、皆1リットルのビールを片手に歌い踊る。ドイツでは飲酒の年齢制限がないので子供もおばあちゃんも楽しく飲んでいる。日本だとある程度の年齢になると騒ぐのが恥ずかしいという傾向があるが、ここでは皆楽しんでいる。
パブに生演奏があるのは最高だ。皆そう思っているのだろう。音楽が始まるとどこからともなく外からどんどん人が集まってくる。皆、ビールを飲むので当然パブも潤う。そのためどこでも生演奏が行われる。いい環境を作る循環が生まれる。


アイルランドといえばギネス。ギネスをたらふくいただいた。
ギネスはアイルランド生まれだが、たぶんアイルランド人も知らないだろう。ギネスにバニラアイスを浮かべて、ギネスフロートにすると美味いということを。
[2008/07/26 03:00] | 世界一周旅行 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top
[080725]London 
  26日に格安フライトEasy jetでエジプトに飛ぶ計画だったが3日後の29日には2万円近くフライトの値段が下がっていた。EasyJetはロンドンから少々離れたGatwick空港発着だ。それも昼過ぎのフライト。というわけで何処かに飛んで、Gatwick空港に29日朝に戻ってくれば都合がいい。この旅程で行けるところといえばアイルランド。荷物を預けるため少々高くなってはいるが往復約8000円。イギリスの交通費は異常に高いのだが、ネットの価格破壊的なものを使うと他国より安く済む。旅行に非常に技術や事前計画が必要とされる国だ。

 というわけで、アイルランドがこの旅32カ国目、通算59カ国目となった。
[2008/07/25 08:03] | 世界一周旅行 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
[独り言]困った。よわった。イエローカード
 黄熱病イエローカードがない。タンザニアのみならばイエローカードは必要ないと聞いていたので安心していたが、近日イエローカードのチェックが再開されたらしい。
 わざわざ日本国内で予防注射は打ったのだが証明できなければ入国できない可能性がある。ネットで航空チケットを取得する予定だったが、不安で購入できない。カイロにて予防注射をもう一度打ってイエローカードを取得する必要が出てきた。タイムロスだ。
 日本から万全の準備をしてタンザニアに入っても金額的に8万円も変わらない。正直言って悩みどころ。むーーー。
中東で時間を使うと、ネパールに冬が来る。季節を考えながら旅をしなくては。
[2008/07/24 08:04] | 旅のルート | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
[080724]London 
 ロンドン動物園へ。ここには幾つかの歴史的な建築物がある。この鳥小屋は人が中に入って見学できる施設。張力と圧縮力を使って大空間の小屋を獲得している。この見学方法は当時において画期的だったろうと思う。
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 北海道の旭丘動物園もそのユニークな展示方法で動員数を増やした。どちらが先なのかは分からないが動物の見せ方が非常にうまくなっているように思う。ロンドン動物園には新しく「ゴリラ王国」がオープンした。ここではゴリラの生活する場所が池で囲まれ、人は木製の柵の外から眺めることが出来る。視界を邪魔する檻などない。(池の中に柵がある)
建築も使用方法や使われ方を考えると別の回答が出るのだろう。
 
 
 
 NLA(New London Architecture)へ。ここはトラスト団体として成り立っている。
この場所にはロンドンの街全体の模型が置かれている。
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既存の建物は灰色、計画中のものは白で作られており一目で街がどう変わるかが分かるようになっている。2012年のロンドンオリンピック会場は現在急ピッチで工事が進められており、ドッグランド、ミレニアムビレッジ周辺も目下計画進行中だ。
 展示にはロンドン市による居住指針も示されており、どのように街をつくるのか具体的な数字をもって説明されている。このような都市計画をわかりやすく市民に知らせる展示場はヨーロッパには各地にある。言わずもがな、日本も目に触れるように公開していく必要がある。


イギリスは貧乏旅行者にとっては本当に厳しい国だ。東京がモスクワに次いで世界2位の物価指数と報道されていたが嘘としか思えない。
[2008/07/24 08:00] | 旅のルート | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
[080723]London
 イングリッシュガーデンを見るため、ロンドン郊外のお城見学。
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荘厳なお城に手入れの行き届いた庭。室内には壁画が飾られ、廊下には甲冑が整然と置かれている。ここに生まれ育った人がいるのが恐れ入る。住人の写真も飾られているが、私とそんなには歳が変わらない。彼らは生まれたときから貴族なのだ。平民の自分としては羨ましい限り。イギリスは人の上に人を作る。まぁ、世界を旅していると日本に生まれただけでも幸せだと思う。


サーペンタインギャラリーへ。ここには夏の風物詩「サーペンタイン・パビリオン」が夏季の3ヶ月のみ設置される。このパビリオンは2000年より旬の第一級建築家に依頼して建設される。今年の建築家はフランク・O・ゲーリーだった。
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 建築家の招待からオープンまで僅か6ヶ月。建築家もそれを支えるスタッフ、施工業者も急ピッチで進める必要があるタイムリーなプロジェクト。彼のパビリオンはレオナルド・ダ・ヴィンチの投石器と夏の海小屋からインスピレーションを得て作られたという。
 4つの柱、変形のフレームから屋根が吊り下げられている。少々無理に設置されている感はある。コンピューターによる設計、建設だ。ただ、木材があることでジョイント部が隠れ、若干柔らかい表現になっている。屋根は蝶が舞っているようにも見える。屋根はランダムに設置しているように見えるが雨水に対して、一応ステンレス製のエッジに沿って落ちるようになっている。

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 この木材(カナダ産Douglas fur Tree)は集成材ではなく、無垢材。1インチ4方あり、梁に使われている部分は4m程度の長さがある。これを4×4つ接合して一つの柱としている。よって一つの柱は約1.3m角となる。長手方向にも接続されており、柱の下の広さで幅10m長さ23m高さ12m程度である。説明によると変形形状ながら536?の空間を獲得していると書かれている。

 
 屋根の下は階段状の舞台、座席になっておりそこでピクニックをする人たちも多く見られた。座席の素材は柱にも使われている無垢材を横に寝かせて積層させている。豪勢な使い方だ。
この建物はあくまでパビリオンであり、用途は不明。用途がない建築というのは、なかなか評価が難しい。圧倒的な存在感のある歴史的な遺産はそれだけで力を持つが、現代のパビリオン設計では難しい。

 このギャラリーは3ヶ月展示され、解体される。この間に販売がなられ、またどこかで再構築されることになる。ユニークなプロジェクトだ。



 ナショナルギャラリーは世界各国から集められた絵画の宝庫であるが、ここでは建物の改修に関心がいく。天井を解体し、ガラスのトップライトとしている。調光もなされており、心地の良い展示空間であった。19世紀に建てられたアメリカやイギリスの博物館は見事な改修が図られていると思う。



 お好み焼きは世界で最も素晴らしい食べ物の一つだ。
[2008/07/23 07:48] | 世界一周旅行 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
[都市コラム]都市計画が世界を救う。
 CATにて純粋な適正技術を見学することができた。

しかし、日本ではエコ・エコと騒がれていたのが逆に振れて、環境問題の嘘・情報の隠蔽が話題になっている。日本は京都議定書に代表されるように、リサイクルやエコロジーに対して最も進んでいる国だと新聞では周知している。今も「チームマイナス6%」と合い言葉のようになっているが、正確には1997年に締結された京都議定書で日本が第一約束期間(2008~2012年)の5年間における温室効果ガス(CO2)の排出量を1990年の排出量から6%減らすということを指している。しかし、実際には減らすどころか2004年において1990年と比べて8%も増えているのが現実だ。これから、たった2年で、現在より14%削減しなければ達成しなければならないということになる。これが事実であり、年々エコロジーな生活になっているような錯覚を大多数の日本国民が起こしているということになる。

 例えば、日本はリサイクルの先端と行っても、政府発行のリサイクルの算出方法は詭弁であり、単に燃やして捨てるのもリサイクルの一部として算出しているという。容器包装プラスチックの回収率は10%であり、自治体に集められたうち実際に別の商品に変えられているのは10%程度であり、その商品が本当に売れているかとなるとその1/3以下だろう。

加えてペットボトルがそのまま、違う商品に変わるわけではなく、リサイクル商品を作るために多くのco2(石油)が使われている。 武田教授の「環境問題の嘘はなぜ まかりとおるのか」によれば、「リサイクルなどせずにその場で燃やしてしまった方がまだ、エコロジーだ」というのである。そうすれば、ゴミの回収の輸送費やリサイクルのためのよけいなco2をかけなくてもよいのだと。


 下手にリサイクルなどするというから、安易にペットボトルが流通し、高額なコストをかけて販売しなくてはならないのだ。明らかに企業側の単価をあげるための構図が見え隠れしている。日本人は極端な衛生好きが多いのと、責任問題でうるさいのであろうが、本来コンビニにはペットボトルに詰め替えるための飲料を用意すれば良いのであって、わざわざペットボトルごと帰る必要はないのだ。自分が紙コップにお茶が一杯欲しいと思っても、コンビニにはおいていないのだ。わざわざ新しいペットボトルを買って、水筒にお茶を入れるという構図は滑稽だが、実際にあるのだ。くだらないことだが日本の現実としてある。

 しかも、(収集や再利用に多大なエネルギーが費やされるが)万が一完璧に分別され、ペットボトルが全て再利用されたとしても、それにco2の排出の分量としては全体の数%にすぎない。あれだけ、善良な日本人の大半がエコロジーというとポリ袋とペットボトルを意識しているのにも関わらず、結果としてたかが知れている。
 CO2の削減を考えるならば排出量0.1%のペットボトルを70%削減してもたかが知れているが、一番多くのCO2を排出している問題点を僅かでも減らせばペットボトルなどのことは気にしなくても良いほどになるのだ。

 
各社から数多くのエコロジー商品が出され、省エネルギーやCO2削減を標語にしているものが多い.実際には新商品は「エコ」の推進の下、買い替える結果としてCO2をより多く出しているという変な構図すらある。

 となれば、どこが一番CO2を排出しているか。それは産業廃棄物と自動車からの排気ガスである。全CO2排気量の21.0%が・自動車等の運輸からの排気だ。考えてみると、自動車はある場所からある場所まで動くから発生するのであって、東京のように都市がよくも悪くも高密にたてられ公共交通が発展していれば一人当たりの排出量は少なくなる。広大な土地に分散して住むアメリカと比べると日本の一人当たりの排出量は半分以下とその差は一目瞭然だ。

 言わずもがなアメリカは世界最大のco2排出国であり、彼らがどれだけCO2排出を減らせるかがが急速な温暖化を緩め、石油の枯渇を延命するための重要なポイントだろう。
 そのためには当然、車の性能を高めてCO2削減すること(だからと行って新しいものを買うということはそれだけCO2を排出するということ)、エコドライブ(これだけで25%削減となるらしい)、そして何より車での移動をしない、移動距離を短くする都市構造の変革が求められる。(ちなみに通勤に車を利用しているアメリカ人が、一日に走行する距離はおよそ64キロ、小旅行並だ)


 フードマイレージという考え方http://www.food-mileage.com/がある。これは食品が自分の口に入るまでどれだけの距離を通っているかという数値だ。例えば国産(北海道)のトウモロコシであれば、アメリカ産よりも9571kmも短い距離をたどって食卓に運ばれることになる。
 フードマイレージが長ければ長いほどガソリンを使う訳であって、地球によいことなどなにもない。政治的な話が大きな焦点になってしまうが、本来都市構造としてベースは近郊農業によって成り立たせるべきなのだと強く思う。

 また、北海道の高速道路が無駄だ、無駄だと騒がれるが、もしも日本で自給率を高めようとするならば北海道に高速道路がなければ耕作物の流通は成り立たないとも算出されている。北海道から小麦を運ぶか、アメリカから小麦を運ぶか、どちらが地球環境によいのかを考えれば、単に局地的にあまり使用されていないという北海道の道路のニュースで判断するのではなく、全体を俯瞰して決断しなくてはならないと思う。

 悲しいことに日本は国家的な戦略がなさすぎる、少なくても表に決して出していないようだ。よくも悪くも、常に日本列島改造論みたいな分かりやすさを持った国土論が必要とされているのだろう。(ちなみに現在出されている国土計画は第5次の全国総合開発計画 21世紀の国土のグランドデザイン?-地域の自立の促進と美しい国土の創造- 平成10年(1998)3月 という代物)よくも悪くも、これは本来政策の根幹をなすもので非常に重要なもの。けれども、一般には知られていないことが問題ではと思う。) 

 農業の観点からも国土計画、都市構造を作るかを考えなくてはならない。安全で新鮮な食品を得るにはなにも、農家の努力だけでは出来ない。国土をどう利用するのか大枠がなければ努力が無駄になってしまうことすらある。
 未だに都市計画というと個人の生活を踏みにじるような悪いイメージがあるように思う。そして、旧態依然の計画をしていても「まちづくり」等の優しい言葉でごまかそうとしている感がある。しかし、都市計画は歴然として存在するし、人の環境を作り出す最も重要な施策の一つである。

 全ての人間は多かれ少なかれ都市に依って生きている。田舎の人の生活も都市からの供給によって成り立っている。(当然、逆もある)。環境問題は人がいるから起こる。人は都市に住まう。環境問題は都市計画によっている。
 都市計画の作り方によって都市のあり方が変わる。都市計画が後手に回らず、具体的なイメージを指し示して訴えていかなければならないだろう。そうすれば世界が変わる。それは決して暗い世界ではないはずだ。


都市計画が世界を救う。
[2008/07/22 12:55] | 建築・都市コラム | トラックバック(0) | コメント(1) | page top
[080722]London
 CAT(Center for Alternative Technology)へ。イギリス中部の廃鉱山跡につくられたエコロジーテーマパークともいえる施設。その名の通り、代替技術を集積させることで持続可能な空間をつくり、それぞれの技術の可能性をデモンストレーションし、その普及を目的としている。


電車で4時間。CATはウェールズ(Machynlleth駅)にある。ウェールズに来て驚いたのは言語が全く違うこと。同じ島国でありながら英語とウェールズ語が併記されている。言語圏が異なるようだ。例えばWelcomeはウェールズ語でCroeso。Café はBwytyである。まるで違う国に来たような感じがした。
 イギリスのサッカー協会は4つに分かれている。ワールドカップでもイングランドとウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4つに分かれて出場している。高校の頃、一つのチームで出ていたら優勝しているのになぁと思ったものだ。
 次回、ロンドンオリンピックでは4つの団体が協力して最強チームをつくるという話もある。文化が違うのは分かるがワールドカップでも強いチームが見てみたい。


 CATはこの場所に1974年に建設が始まり、後にCATの形となった。今ではヨーロッパ随一のエコロジーパークと紹介されている。この施設から多くの出版が出されており、世界中のエコロジーパークの拠点ともなっている。(今世界中にエコロジーパーク、ビレッジが作られている。CATはそのはしりと言える)
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敷地内にはさまざまなエコロジー技術を紹介し、いかにエネルギーを消費しないで暮らせるかが様々なツールを使って説明されている。


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例えばこれは自分で歩いて音楽をならし、回転する景色(中央の絵)を楽しむという乗り物。


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説明を聞くのも手動でハンドルを回して電気をつくる仕組みになっている。

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太陽電池と影の関係を知るためのプログラム。

建物もエコ技術を利用してつくられている。パッシブソーラーハウスである。西洋はいかに暖かく暮らすかという点に関して適正技術が開発されており、一方日本は夏をいかに快適に過ごすかという点に技術開発の狙いがあるように思う。
 

帰りにバーミンガムを見学、駅前の再開発事例を見学。FOA(おそらく)も建築設計参加したプロジェクトだ。規模のでかい地区開発だった。
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CATへの行き方;
 大体はCATのホームページに書いてありますが、日帰りで安く行く方法を知るのに苦労したので記しておきます。(ロンドンの日帰りではなく、どこかに宿泊予定であればバスなどの選択肢もあります。)

まず、CATのホームページに載っているCAT MACHADMISSSIONは駅員数人に問い合わせても分からないと言われます。(交渉が足りなかったのかもしれませんが)

イギリスの鉄道は切符の種類によって(対応する駅員によって)値段が全く変わります。
(同じ行程で3.5倍差2.6万円差の切符を案内された)
 
Euston駅からBirmingam発が出ます。電車は9時半より前の電車は通常料金の3倍以上の金額が掛かります。その上、早めに予約しないと値段が高くなります。行きと帰りの時間を指定し、日帰り往復にすると安くなります。EustonからBarmingamまでは一等にせざるを得ない場合でも、BarmingamからMachynllethマカンレスまでは2等にするという手があります。 (私は6時半発で10時42分着。帰りは6時2分発の電車を予約。日帰り。)

BirminghamからMachynllethの電車は急にキャンセルになるなど予断を許さないローカル線です。

意外と敷地も狭く、説明ボードに書かれている内容自体は大体誰もが知っている内容です。見学程度ならばEuston9時40分発2時半着の電車に乗れば十分だと思います。バスも1時間に1、2本あり、駅からたったの6分でCATに到着します。2時間半は見学できます。
[2008/07/22 12:38] | 世界一周旅行 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
[080720]London
北欧を抜けてロンドンに入れば少しは気温が上がるだろうと考えていた。風が速く、寒い。天候も変わりやすく、曇りがちだ。薄着だとロンドンで風邪を引くことになる。

日曜日の朝は教会が観光客のためではなく信者のために使われる。ということはミサ時間に限定されるが無料で入ることが出来る。(教会がお金掛かって、美術館が無料って変な国だ)。
ウィストミンスター大聖堂等を見学。イギリス式の隣人挨拶(近くの人と語り合いましょうのアナウンスが入る)などノンビリと日曜の朝らしいことをする。海外旅行で地元の人と話したいのだがきっかけがつかめない、という人はミサに行くとよい。向こうから気軽に話しかけてくれる。時間に余裕があればコーヒーとビスケットもいただきながら雑談できる。もちろんキリスト教信者である必要はない。彼らはキリスト教信者以外とも語り合い、できればキリスト教に入って欲しいと考えるだけだ。

 ちょうど衛兵の交替式の時間であったためバッキンガム宮殿へ。想像以上の衛兵の数、そしてロンドン中の観光客が集まっているのではと思うほどの見物客。交替式としては確かにどの国よりもエンターテイメント性がある。音楽がJazzyなものもあり楽しげだ。

リチャード・ロジャースのチャンネル4を見学。ガラスを固定するスチールが素晴らしいディティールを見せる。空間構成は単純であるが、吹き抜け前を持つファサードに緊張感がこもる。宙を浮くスチールからガラスはドットポイントで留められている。しかし、複数の地点から留められているため、互いに一切のズレは許されない。設計精度が非常に高い。ハイテク建築の妙を見た。

大英博物館の収蔵品は膨大。これまで世界の幾つかの地域を旅してきたが、どの地域の遺産も揃っている。世界の旅先で博物館に行く必要がないのではと思うほどだ。
これだけの収蔵品があると一つ一つ見て歩けない。ポイントを絞って見ることになる。ここで特に見たかったのはシャンピニオンがヒエログリフの解読の鍵になったロゼッタストーン。3つの文字で表記されている石碑を発見したときの感動は多大なものだったろう。

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グレートコート改修プロジェクトは見事。


ロンドンの公園でビール飲む人は少ない。禁止されているのかもしれないが、イギリスはバー文化のある国。バーは単なる酒場ではない。教会もそうであるように地域コミュニティになくてはならない場所なのだ。多少のお金が掛かってもバーに行くのは外が寒いからだけではないのだろう。
[2008/07/20 10:06] | 世界一周旅行 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
[080719]London
 ロンドンの地下鉄がなぜチューブと呼ばれるのが分かった。
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トンネルが単線で小さく円い。路線によっては地下鉄車両も角が削られ丸くなっている。開閉ドアすら上部が折れ曲がっている。これはイギリスの地下鉄が技術的に未熟だった時代に作られた名残だろう。トンネルは大きくなればなるほど圧力がかかり、貫通工事が難しくなる。単線であれば掘削口は小さく、圧力が小さい。複線だと大きくなり圧力を増す。こういった理由からチューブが産まれたのだろうが、イギリスに来るまでチューブと呼ばれる理由が分からなかった。世界の地下鉄でチューブといえるのはイギリスぐらいかも知れない。大江戸線も小さな車両を使っている。掘削する重機の回転幅で電車の大きさが決定されたがこれと同じことだ。

世界の金融街CITYエリアにあるロイズへ。リチャード・ロジャース設計のハイテク建築だ。
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本日は土曜日。街は閑散としていた。シティには平日のラッシュアワーに来ないと世界の金融の目まぐるしさを感じることは出来ない。ニューヨークのウォーカー街もすごかった。朝霧の中の黒いコートの集団。独特の雰囲気、緊張感が金融街にはある。

金融街に最近出来たロジャースのガーキンタワーを見学。ガラスで出来た花のつぼみのようなデザインをしている。S構造の軽い構造体をもってして、環境に配慮されているのだろうがニューヨークのハーストビルと違って市民の人気は少ないそうだ。


ヘルツォーク&ドムーロン改修のテートモダンを見学。
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無料のエリアを見るだけでも相当の時間が掛かる。ロンドンの物価は高いが美術館などが無料の場所が多く、他の都市と比べて観光客にとってはそんなに支出が増えるわけではない。それがありがたいところ。


ロンドンブリッジを渡り、テムズ川沿いを歩いた。護岸はあまり美しくない。タンカーや運搬船が中心の川の景観である。遊歩道はあるが緑も少なく、なにより川が綺麗ではない。各国が競って護岸の整備をしている中、ロンドンは少し立ち遅れているのでないだろうか。ドッグランドの再開発などロンドンは話題を振りまいたが基礎的な景観においてもっと出来ることがあるのではないだろうか。

ウォータールー駅の近くの行き止まりトンネルには多くのストリートアートが施されていた。全てレベル高い。スプレーで描いているとは思えない。もはや落書きというのを飛び超えて観光地となっている。クオリティレベルが高い地区(壁)にはそれぞれがリスペクトしあい、全体的にレベルが高くなる。スプレーアートにもルールが様々ある。ブラジルで会ったスプレーアーティストから聞いた話だ。素晴らしい絵を描いたものの上に自分の名前などを書き殴りすると後でアート仲間に探し出され、報復にあうこともあるそうだ。その代わり、以前よりもいい絵を描いた場合は全く問題ない。逆に一目置かれることもある。ここでは多少の書き殴りもあるものの、描かれた作品はそのままに残されていた。
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この作品は壁のモルタルを削ることによって立体感を出している。



ロンドンは人種の坩堝だ。インドもイギリスの属国であった。区分は違うがインド人はイギリス国民であったのだ。香港人もそうだし、世界をまたに駆けて属国化したイギリスの多様性が垣間見える。街を歩いていても(日本人が思い浮かぶ)イギリス人という区分が見えてこない。イギリスは他人種国家だ。イギリスの食事は不味い不味いというけれど、各国の料理が揃っているのでそんなに困らない。

ロンドンの物価は実際高い。しかし、北欧から抜けてくるとそうでもない。
[2008/07/19 09:52] | 世界一周旅行 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
[080718]Helsinki → London
 その街その街、頭から離れない音楽がある。街のBGMとでもいえるだろうか。ヘルシンキではなぜか「ガッチャマン」だった。これは映画「かもめ食堂」の影響だ。フライトに時間があるため「かもめ食堂」へ。
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ちなみにこの旅全体でのBGMといえば、U2の「I've still never found what I am looking for」。特に大自然の中でこの歌が頭に流れる。歌詞にこれまでの道のりに想いを重ねてしまう。

 かもめ食堂で出会った方がたまたま手帳を制作する方だったので意見を述べさせていただいた。世の中には本当に欲しい手帳がない。スケッチバッグといい、何でも欲しいものは自分でデザインしなければ手に入らない。アールトの自邸を見ると殆んど家具はオリジナルだ。現代では量産の体制があるため、ある種類のものは異常な量で提供されるが一品生産が殆んどできなくなる。建築設計の現場においてもそうだ。30,40年前、製品の工業化が強くなる前のデザインは仕事も多いが楽しかったろう。
 お願いした手帳の企画が通っていないようだったら、自分で手帳制作会社と交渉して作りたい。たぶん売れるはず。いろいろアイディアはある。
  

北欧は福祉政策などが有名ではあり、日本からも多数の視察が来ている。しかし、現地の人々と話を聞いて見ると否定的な意見も多い。まずスウェーデンにおいては働いても半分近く税金で持っていかれる。これによって優秀な人材の海外流失を生む。そして、福祉大国を支えるための労働力として移民がどうしても入ってこざるを得ないこともある。(移民の話、不法労働の話はユーロ圏内どこでもある。排他的なユーロの話は後にまとめたい)
 福祉に大金を回すため、警察の数も少ない。安全そうに見える北欧でも犯罪率は日本の数倍だ。フィンランドの一人当たりの銃所持率は世界第三位。いろいろ調べると意外な面が見えてくる。
 特に経済的大国家である北欧も将来的な不安がないわけではない。ノルウェーは石油が尽きるまでに全てのインフラを整えようと必死である。フィンランドは冷戦時代の東西の貿易港としての機能を失っている、またNokiaをはじめとする先端技術が陰りを見せる可能性がある。北欧の国々の社会インフラには多額のお金が掛かる。交通コストも多大だ。北欧の国がどのように舵取りをしていくのだろうか。
 ただ、北欧の政治は実に行動的だ。やりすぎだと思われるような社会政策(例えば断種手術など)、福祉政策をどんどん打ち出し実験している。これらの機敏な動き、政治運営方針は必ず打開策を見つけることが出来るのだろう。

 イギリスへ。実は初めて来る。というわけでこの旅31カ国目(通算58カ国目)となった。
[2008/07/18 08:23] | 世界一周旅行 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top
[080717]Helsinki
 フィンランドには変なお祭りが多い。冬季の観光を促進するために開催されるものも多い。エアギター大会もフィンランドだ。携帯によってもたらされる怒りや面倒を取り払うために携帯投げコンテストなんてのもある。優勝者には新しい携帯が贈られる。どうせならカメラ投げ大会も作ってほしい。デジタルカメラを持っているが故の面倒が多い。世界にカメラがなかった頃、観光地はもっと平穏だったろう。
 
 Temppeliaukio教会へ。この教会は岩盤をくり貫いて造られた。平面は円形であるが岩壁の高さに変化をつける、2重にする、一部に曲線を作るなど空間体験に深みを増している。音響もよく、内部で演奏されていたピアノ、バイオリンもよく響いていた。
 素材の選択も素晴らしい。岩盤と銅板(?)が落ち着きを見せる。天井もコンクリートシェル構造であるが銅板によって軽い洗練された表情となっている。
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 この建築を空から見ると面白い。岩盤に円がぽつんとある。周りには住宅地だ。面白い場所に設計したのだと思う。このような岩盤は何もここだけではなく、基本的にヘルシンキ全てに及ぶ。オタニエミ大学近くのピエティリ設計の学生センターにおいても岩盤を利用した建築が造られていた。フィヨルドは固い岩盤を削られて造られているため、巨大客船も島の近辺を通って航海ができる。他の地盤(海底内斜面)ではこうはいかない。
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地盤が固いというのは現場にとってはありがたい。日本のように長い杭を打つ必要が全くない。べた基礎で十分である。これは施主さんにとってもありがたいことだ。日本では地盤改良や杭に多額のお金が掛かるがそれがヘルシンキでは必要ない。羨ましい限り。
 
 アールトのスタジオ、住宅を見学。スタジオの曲面と白い壁が伸び上がる空間は見事。ボリュームは小さくとも広がりを最大限に感じさせる。天井が高くなった位置にはロフトを設置し、模型をそこから鳥瞰できるようになっている。
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スタッフが働く場所としても心地よい。シカゴでフランク・ロイド・ライトの事務所を見学したときにも思ったことがある。いい建築をつくるためには建築家はいい空間で設計することが必要なのだ。

 Myyrmaki教会へ。西(線路側)に祭壇、壁が作られている。光は東側、つまり朝の光を最大限に取り込むように作られている。この建築は昼までに来ないと白い空間のよさが見えてこない。『教会建築は午前中』。この鉄則を守らないと後悔することになる。
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 ヘウレカ科学技術ミュージアムへ。建築自体は見る価値はない。しかし、フィンランドの教育事情を知るためには面白いかもしれない。科学技術博物館は子供のための施設だ。世界に数ある施設のなかでも展示、プログラム、説明もしっかりしている。

 アールト設計のacademica書店へ。広がりを見せる吹き抜け空間と天井のサファイアのように青く光る変形トップライトは見事。ただ、吹き抜け空間が販売面積に比べて広すぎるので、賃貸ビルには向かない設計だろう。
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 フィンランドの若者はかなりパンクなファッションをしている。とてもムーミンの国とは思えない。
[2008/07/17 06:29] | 世界一周旅行 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
[080716]Helsinki
 アールト設計のオタニエミ工科大学を見学。
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たまたま講義室が開いていて幸運だった。光の入らない建築はその力を発揮できないからだ。天井側面から光が入る。外観からはその部分は急斜面に見える。
座席からは窓はほぼ見えないように設計されている。4mほどある天井を区切る白い梁(壁)が天使のように光る。ヴォクセンニスカの教会でもそうであったが非対称の座席もデザインに一役買っている。外観自体は整形だが、あえて非対称を作る。しかしアンバランスの中にバランスがある。外部の赤いレンガと内部の白い曲面のコントラストも実に見事。
 
 ヘルシンキにあるノキアの本社ビル・研究棟はガラスのダブルスキンとなっている。駅前の現代ビルの殆んどがダブルスキンだ。スウェーデンやノルウェーよりもその比率は大きい。というのも、北大西洋の暖流がフィンランドまで届かないために他の国より寒くなるのだろう。実際にヘルシンキの夜は冷える。他のアールト建築(住宅、スタジオ他)においても窓は大体ダブルスキンになっていて、冬季使用なのだと感じる。夏は素晴らしい季節であるが冬に来ない限り北欧の建築は理解できない。

 スティーブン・ホールのキアズマ現代美術館へ。
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数あるスティーブン・ホール設計の建築でも会心作だった。北欧の白い光を彼は手に入れていた。外観と内部空間とのイメージのギャップはあるものの道路側へのボリュームを減らしながら必要な諸室を収めるためには必要な処置であったと思われる。スティーブン・ホールのデザインの特徴である開口部も多様な表情を見せている。
現代美術館だけあって、映像のための暗室が必要となる。そのためトップライトが閉じられてしまうなど純粋な建築像はもう少し違った形だったかも知れない。

 ビールは酒税が高いので、アルコール度数が少ないほど安くなる。そこでどの会社もアルコール度数によって商品ラインナップが出来ている。KaulaⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳという具合にアルコールが強いビールになっていく。強いほど値段も高い。そして旨い。ノルウェー、スウェーデンよりは格段にビールが安い。s-100_5908.jpg



[2008/07/16 06:05] | 世界一周旅行 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
[雑記]ブログ。
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日記を読み返すと、自分は何様だという感じに傲慢に書いているような気もします。ただ、日記という形態で「思う」「かもしれない」「だろう」を連発するのも変だし、読みにくいと思います。そのため断定するような表現を使っています。読む手にとっては不快な部分もあるでしょうから、日本に帰ったらブログは全消去しないければ仕事が出来ないかも知れません。(笑)


文字数は既に18万字を超えた。全て読んでいる人はほとんどいないだろうなぁ。
ちなみに再度読んで面白いかもと思うのは4月中旬南米編、5月前半モロッコ、5月末から6月初めの中欧あたりでしょうか。建築はあまり関係ないですが。
[2008/07/15 07:29] | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(3) | page top
[080715]Tampere → Imatra → Helsinki

建築見学予定だったタンペレ市立図書館の1階がムーミン博物館になっていた。ムーミンも時代を経ながらじょじょに万人受けするかわいい顔になってきている。
時代を超えて残る全てのものは、やはりオリジナリティを持っている。その世界観は必ずしものフィンランドの風景に合致するものではない。そこに核があるのだろう。

 とはいえ、車窓から見るフィンランドの景色は確かにムーミンがいてもおかしくない。早稲田大学の工学部の近くにある夢民(ムーミン)というカレー屋さんがある。そのカレーが食べたい。 

 Imatraにあるヴォクセンニスカ教会へ。往路だけで4時間の移動、アールトの名作は僻地にある。(ちなみにマイレア邸は1週間の休業に入ってしまっていた)
 この作品は内部からデザインされたように思う。白い3つの十字架が白い壁面に浮かぶ。陰影だけによって浮き上がる十字架だ。天井、壁は曲線を柔らかな曲線を描く。ただこの曲線が活きるのは側面に直線のデザインが含まれているからだと感じた。直線が曲線を活かす。正面の壁はアシンメトリーになっている。実に複雑な空間性だ。
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 教会は3つに仕切ることが出来るようになっている。これはユヴァスキュラの教育大学ホールと同じ。大学ホールは役立ちそうではあったが、この教会では分割する使い方はされていないとのことだった。本来、真ん中の部屋がカフェになり、3つ目の部屋がプレイルームと想定されてたそうだ。現在では冬季に3つ目の壁を閉じるだけだということらしい。

 パイプオルガンを包むデザインはこれまで見た中で最も美しいデザインであった。白塗りの壁と木の柔らかな空間だ。北欧の白い光が内部に入りその神秘さを増す。惜しむらくは午後の遅い時間に行ってしまったこと。教会建築は朝の光に合わせて設計される。教会は朝に見なければ真の姿を見ることが出来ない。頭の中で光を若干調整しつつ、じっくりと空間を味わった。
 

フィンランドには公衆電話がない。近年、全て取り払ってしまったそうだ。常に困り、道に行く人に頼んで電話を貸してもらうことになる。フィンランドは携帯電話で有名なNokiaの国だ。公衆電話(地上回線)がないのはノキアの陰謀に違いない。実際フィンランドのようなインフラ設置が厳しいところでは電波を飛ばしたほうが良いのは分かる。しかし、携帯と同じ回線システムの公衆電話があってもいいのではないだろうか。ノキアに抗議したい。
 と、思っていたのだがヘルシンキ駅にはハイテク公衆電話があった。お金を入れるとネットも電話も出来る。電話はコードのついた携帯のような大きさで実に話しにくい。ボタンもタッチパネルだが実に押しにくい。しかも、電話をかける前からお金が掛かる。
 そして、電話のシステムはスカイプを使用している。
 そういえばI-phoneが日本でも発売したらしいが、スカイプフォンが日本で普及したらドコモもauもなくなってしまうのではなかろうか。ソフトバンクは生き残りそうだが。

[2008/07/15 06:21] | 世界一周旅行 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
[080714]Jyvaskyla→Tampere 

 ユヴァスキュラ大学を再度見学。ホールなど内部を見ることが出来た。
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午後からコエ・タロ(夏の家、Experimental house)を見学。周辺環境が実に素晴らしい。想像よりも水辺側に立つ壁が高く、分厚かった。
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内部は実験住宅らしく様々な取り組みがされている。50つものタイルがパッチワークのように使用され、植栽の生育状況の実験もされていた。しかし、多種多様の素材を使ってもそれが落ち着きを見せてしまうのはアールトの手腕といったところだろうか。彼は斜めの屋根形状をデザインに取り入れるが壁面のタイルを屋根までぶつけず、切り替えている。これは教育大学においてもそうだった。斜めの屋根を建築言語として取り出している。この分割するデザイン手法により、様々なタイルを組み入れてもチグハグにならないのだろう。
 昨日の建築では全くアールトの良さが分からないが、傑作といわれる作品はやはり訪れる価値がある。

 内部見学が3時半までと聞いて慌ててセイナッツァロの役場へ。これも傑作。一目みるだけで傑作のオーラを感じることが出来る。
 彼の作品は現場管理が重要だと思わせられる建築。屋根の形状と光の取り入れ方、梁のデザインが素晴らしい。ボリューム感も適切だった。(ちなみにコエ・タロも村役場も宿泊が可能。詳しくはwww.alveraalto.fi)
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 最後に彼の初期の作品である労働者会館へ。古典主義時代の作品だ。色はどぎつく、形態も古典的で全くアールトらしさがない。ただ、感心するのはこの作品を作っていたアールトのデザインが化けて、世界の巨匠へと飛翔したことだ。人はデザインすら変えることが出来るのだと。常に時代を吸収していく努力が必要なのだと感じた。


 外が明るいうちから寝るのは、未だに慣れない。
[2008/07/14 06:08] | 世界一周旅行 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
[080713]Turuk → Tampere →Jyvaskyla
 タンペレにて建築を見てユヴァスキュラへ。フィンランドに来た理由はムーミンではなく、アルヴァ・アールトだ。ちなみにフィンランドではアールトといっても通じない。アルトーと発音するようだ。

 ユヴァスキュラに急いで来た割りにアールト美術館は凡作だった。教育大学はそれなりのもののようだが、外部からは伺い知れない。
アールト建築は僻地にあり予約が必要なものが多い。そして予約の時間がちょうどお昼に当たる。全く持って非効率な建築巡礼を強いられる。誰かアールト見学の旅を効率的に巡るためのモデルコースを作ってくれないものかと思う。

 夜中12時でも夜は来なかった。
[2008/07/13 07:27] | 世界一周旅行 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top
 [080712]Stockholm
 同じ部屋に一晩中独り言を続ける奴がいた。寝言だ。彼は気持ちよさそうに寝ている。
なおさら頭にくる。こういう人間はユースホステル協会のブラックリストに載せるべきだと思うが、そんなシステムはない。彼は世界中で顰蹙を買っているだろう。
 
 コペンハーゲン、オスロ、ストックホルムと見てきた。一泊、夜行、一泊、夜行と繰り返している。こんなに移動が早いと、ふと自分がどこの国にいるのか分からなくなるときがある。よくない傾向ではある。しかし、3つの都市は確かに似ている部分が多い。同じ文化圏であり、いずれも海面と共にある街だ。似ている都市でもその都市たらしめているのはランドマークとなる建築といえなくもない。どの都市の市庁舎も一目でその都市のものだと分かる。海岸に位置し、船上からも眺められる。東京都庁もその建設費から非難が上がったこともあるが、一目で東京と分かる。出来ることならあれがもっと目立つ場所にあって欲しいと思うくらいだ。s-100_5826.jpg





 バース号という沈没船がある。1632年に処女航海で沈没した戦艦だ。ストックホルムにはこれを引き揚げて展示している美術館がある。巨大な戦艦は男の子として単純にカッコいいというのがまず浮かぶ。しかし、なぜ沈んだのかと考えると現代にも通じる教訓がある。
 工事を急がせ、過剰な搭載をし、事前の確認を怠り、そして沈没したのだ。船長も設計者も職人も裁判に掛けられたが結局どの人間も非がなかった。(認められなかった)。
なにか現在の日本の建築状況に繋がるような気がしてならない。
ちなみに、この展示の美術館はその形態の割には動線の処理が良くない。形態だけ先に決まっていってプログラムが解かれていない。

 夜行の船でフィンランド・トルクへ。船にはカジノもナイトクラブもある。
船上から水平線に近い位置を動く夕日を見た。フィヨルドの森もチリとのクルーズとは雰囲気が違う。島々には点々と住居が見える。自然に囲まれた住宅であるが、彼らに対する社会インフラを考えると税金が高くなってしまうのも頷ける。

 スウェーデンのビールは酒税が高いのでアルコール度数2.5%ほどのビールが主流。ハイネケンなども安く提供するために度数3.5%で販売されている。非常に辛い。しかし、船上はTaxfree。誰もが争って酒を買う。もちろん、今夜は酒盛りとなった。
[2008/07/12 02:45] | 世界一周旅行 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
[080711]Stockholm
 グンナー・アスプルンドとシーグルド・レヴェレンツの森の葬祭場へ。永らく来てみたかった場所だ。お墓の配置計画、全体の起伏を生かしたランドスケープが素晴らしい。
敷地の広さ比べると作られている建築はごくわずかだ。しかし、ランドスケープと一体となり印象的な風景を作り上げる。芝生の上に建つ十字架とそれに導く動線、緑の丘との関係性。大地へ彫刻を施したかのようである。それはそこに在るのが当然であるかのような佇まいだ。これまで写真でも見ていない人でも、どこか見知ったような風景だと感じるのではないのだろうか。
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 日本では高密度であるがゆえに周辺環境が必ずしも良くない。周辺環境から難しい課題を与えられることが多い。これまで見てきた至高の建築は丁寧に周辺を取り込み、それを活かして生まれていた。しかし、日本では粗悪な周辺環境からどうやって閉じて(ないし、選択取り込みして)内部世界を作り上げるかを考えざるを得ない場合が多い。良い建築が良い周辺環境を伴うとすれば、いかに周辺環境をによって作り上げられるかが重要になる。良い建築を作るためには良い環境、良い街を。そして良い街にはよき建築が出来る。それが好循環になればと思う。単純思考過ぎるだろうか。

 今日は北へ南へ熱心に建築を見て回った。本日の最高の建築は森の葬祭場ではなく、シーグルド・レヴェレンツの聖マルコ教会。適度なボリュームと細やかな変化。天井部の変形ボールトは外部の水の処理を兼ねているところにも感心させられた。褐色のレンガは白樺との対比を生み出して実に美しい。各所に面白いディティールがある。至極の建築だった
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 卵を茹でた後はすぐに冷水につけるということを、どうやったら全世界の調理人に伝えれるだろう。
[2008/07/11 02:23] | 世界一周旅行 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top
[Beer]ビールの値段からノルウェー
 ノルウェーは物価が高い。どんなに物価が高くとも日本より安かったビールが高い。スーパーマーケットですら500m缶(ノルウェー産)で600円近くした。異常である。

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 全世界で一人当たりの所得が多いのはスイス、リヒテンシュタイン、ルクセンブルグ、日本、ノルウェーと聞いた。皆小国であるが日本は人口が多いため一際特殊な国。実際のところ日本人としては所得が多いとは実感がわかないところでもある。
 ノルウェーは人口450万人の国。人口は少ないが国土に人が散らばっている。そのため交通経費や社会インフラに投資が多い。寒い国であるため食料も海外からの輸入に頼る部分が大きくなる。海洋による収入が減って、それでも、なおノルウェーがお金持ち国であるのは北海油田のおかげだ。これが国に富をもたらしている。
 そして、ノルウェーは世界で最も税金の高い国の一つ。高齢者への社会保障も整っているが、それがビールの値段に高騰に繋がってくる。バーやレストランで飲むと一杯1000円以上してしまう。
[2008/07/10 05:35] | beer | トラックバック(0) | コメント(2) | page top
[080710]Oslo

 ムンクは出てこない。大量のソフトクリームが街に溢れる夢を見た。


 朝からOslo郊外にあるSverre Fehn(スヴェーレ フェーン)氏の作品を見る。図書館、高齢者施設、盲人学校の3つを見ることが出来た。彼の作品は決して高価な材料を使うわけでもなく、特徴的な形態を持つわけでもない。地形と合わせた心地よい空間を作る。カーンとシザ、知っているところでは彼らを足して割ったような印象だ。
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 他にはバイキング博物館、ノルウェー各地の建築が移築されている民族博物館へ。間違いなく木の文化だ。s-100_5814.jpg


ノルウェーは冬が長く、雪が降る。デパートの中庭はガラスのトップライトを持ったアーケード形式となる。完全に天井がガラスのためビニールハウスのような空間となる。そのデパートごとに多少の変化があるため眺めているだけでも参考になる。日本では北海道ぐらいでしかする必要はないだろう。
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北欧の人々は夏の公園が好きなのだ。北欧人でなくても気持ちよさそうだ。晴れた夕方キリム(ないしは大きなビーチタオル)を芝生に敷いて寝転ぶ。本を読んでもよし、友達と語り合うもよし。ビールがあればなお良しだ。
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日本は芝生が少ない。また、湿気があることもあって、敷物がビニールシートになってしまうことが多い。これでは寝転んでも気持ち良くない。あの布の柔らかさと暖かさがいい。ビニールは冷たく、シャカシャカする。
気候が暑すぎるということもそんなこともあってか日本はピクニック文化が遅れている。自分は気持ち良く晴れた日に川辺でお酒を飲むのが好きだが、あまりそんな人はいない。外で敷物を敷いて、、、というと花見ぐらいのものだ。
しかし、この花見の敷物もよくない。ゴザならいい。けれど大人数だとブルーシートを敷くことが多い。これはひどい。桜の色と科学的な青がまったくマッチしない。風流がない。この状況を何とかできないかと登場したのが、YR10シートだ。要は青ではなく、土色のシートだ。それも黄土色と茶色でリバーシブルになっている。去年の花見はこれを使わせていただいた。シートとはいえ、少しは風流さが出たように思う。

最近はあまり現地の人とも旅人とも食事をすることもない。現地の人とのトラブルさえない。「旅」をしている感じから「旅行」というイメージになってきた。ヨーロッパでは皆そういう。

夜行でストックホルムへ。フィヨルドへはいつか来る。世界を旅すると「行った」場所より、「行きたい」場所の方が増えていく。
[2008/07/10 05:31] | 世界一周旅行 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
[080709]Oslo

建築美術館では建築家Sverre Fehn(スヴェーレ フェーン)氏の展覧会が行われていた。正直彼をよく知らなかった。それだけに、その安らぎと荘厳さのある建築に驚かされた。ノルウェーは来るのが大変な分、日本ではあまり知られていないのだろう。彼は北欧の雄だ。彼の素晴らしい作品は僻地にある。今回は訪問する時間がない。
また、ノルウェーに来てフィヨルドを見ないで帰るなど信じられないとノルウェー人は言う。自分も信じられない。すっかり忘れていたが[世界で死ぬまでに行かなければならないリスト]に入っている「リーセフィヨルト」にも行かない。そこには600mの断崖絶壁と素晴らしい景観がある。いつか、またノルウェーには戻ってくることになるだろう。

北欧を旅するバックパッカーはまず間違いなく寝袋とテントを持ってきている。北欧、特にノルウェーですることといえばトレッキングやキャンプなどだ。宿代が高いこともあるだろう。だが、それが当然だと思う。ここには美しい森がある。
 ノルウェーは世界で最北に位置する国だ。ノルウェーに着いて驚いたのは森の美しさだ。フィヨルドの大地に凛と輝くその森は穢れのない、冒すべきではない雰囲気、いわば処女性を持っている。村上春樹の小説に「ノルウェーの森」がある。このタイトル自体はビートルズの曲名にちなんで付けられたものだ。しかし、実際の森を見ると『「僕」とサナトリウムに入った直子との隔絶された距離』と『ノルウェーの森の禁忌性』のイメージが重なってくる。

アーケルブリッケとストランデン地区の海辺再開発を見学。中心市街地と海岸を分断していた高速道路の埋設と合わせて開発された。
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高速道路などはどうしても未利用地であった川の上や海岸線沿いに作られることが多かった。これは何も日本だけのことではない。しかし、韓国をはじめ、ここでもウォーターフロントの見直しと共に高速道路の地下化、取りやめを各地で行っている。日本でも日本橋の論議が起こっている。正直、費用対効果を考えると今から埋設させる計画をするのかは疑問だ。その工事が完成する頃には日本の車交通状況がどうなっているか皆目検討がつかないからだ。車は空を飛んでるかもしれない。
こんなことを書くのも日本は工事期間が長すぎるからだ。現在建設中の環状線は道路の地下を使っている。しかし、日中上部の道路を利用できず、暗渠で計画しているために時間がかかる。いったん交通止めにして開渠として一気に工事をすれば時間も短縮、工事費も環境負荷も一気に減るだろう。それぐらいの突貫が出来なければ、高速道路埋設議論は意味のない結果になりそうだ。

オスロに新しく出来たオペラハウスを見学。海沿いに位置し、水と一体となった場所だ。船がオスロに着いたときには輝く箱となって見えることだろう。ただ立地が若干悪い。中心地の賑わいから少し離れ、高速道路に分断されている。都市計画が後手に回った感がある。
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それにしても世界中でオペラハウスの建設ラッシュとなっている気がする。カタールでも、ドバイでもとんでもないオペラハウスが計画進行中だ。そんなにオペラを見る人間はいるのだろうか。この場所はバレエなどにも使えるとはいえ、運営にちょっと疑問がある。
ヨーン・ウォッツォンのシドニーのオペラハウスは有名だ。あれは中身どうこうというより、シドニーのシンボル、いやオーストラリアのアイコンの一つになっている。アイコンという意味での建築は運営を凌駕する力を持つ。おそらくこのオペラハウスも町のシンボルのひとつになるだろう。実際、多くの人が訪れていた。

 ムンク美術館にて、「叫び」を見る。後期描かれた油絵の「叫び」は、直視しながら直立できない。空間を歪ませる力を持っていた。後期のタッチは人間の恐怖の部分を触り、それがゆえに強い印象を残す。夢にも出てきそうだ。

夜中12時でも完全な夜は来ない
[2008/07/09 05:09] | 世界一周旅行 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
[080708]Copenhagen

 郊外のルイジアナ美術館へ。1958年に建設され6回増築を繰り返して今の姿になった。壁・床の素材はレンガ、天井は木が中心で高価なものを使っているわけではない。しかし、地形と一体となって実に心地のよい空間を作り出していた。増築されつつも巧みな動線を生み出し、次の展示へと導かれた。疲れたころにカフェもある。海を感じる気持ちいいカフェだ。
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 敷地は海に面した高台にあり、裏手には池を作っている。最高の立地条件といえる。このロケーションとジャマしないどころか、それを上手に利用している。これまで何百と美術館に回ったが、その中でも心に残る美術館だった。
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光の取り込み方が絶妙。北欧の白い光が布を通して降り注ぐ


 北欧の時間の使い方には参ってしまう。朝は遅く11時スタート。戻って他の美術館に行こうとすると4時には閉まっていた。これは最も時間の短い例だが、観光客としては、もう少し早く始めてもらいたいものだ。忙しがり屋の旅人としては。

 夜(といっても明るい)には公園で野外劇が行われていた。芝生を海に見立て、洪水の後、海に浮かんだ家が舞台だ。言葉は使わずパフォーマンスによる芝居。誰でも楽しめる芝居だ。もちろん無料だ。
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 ヨーロッパで広場に行けば何かが起こっている。特に北ヨーロッパの広場は決して舗装の敷き詰められた中心広場を指すわけではない。北では公園は広場的な要素を持つように思う。
公園では何かが起こっている。

 夜行でオスロへ。
[2008/07/08 07:19] | 世界一周旅行 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
[080707]Copenhagen

 電車ごと船に乗り、海を渡ってデンマークへ。初めて北欧の地を踏むことになった。
デンマーク、コペンハーゲンはアルネ・ヤコブセンのお膝元。SAS Royal Hotel,ヤスパーセン・ビルなどの作品を見ていく。もちろん家具、照明もだ。一見、グレイのガラスが一見冷たい表情を見せる。しかし、構成の比率の美しさを見ることが出来る。SASホテルの内部階段にはしばし見とれてしまう。
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コペンハーゲンではジャズフィスティバルが行われていた。もちろん有名なシンガーやバンドによる大きなライブもある。しかし、このフェスティバルがいいのは街に開かれているところだ。この期間は町のいたるところでライブが開かれ、街の住民、観光客混じってビールを片手に音楽を楽しむ。広場に椅子が用意されているところは「真夏の夜のジャズ」さながらだ。そしてジャズは週末だけなんてケチなことは言わない。2週間、どーんとフィスティバルだ。

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 音楽を楽しむ空間が街に溢れている。レストランやバーでもジャズメンが気持ちのいい音楽を奏でている。建築探訪が終わったら音楽が鳴るほうへ歩けばいい。

 デンマークは人口544万人程度の町だ。国土も広いわけではない。それでも物価が高く、通貨は独自通貨を使っている。一体どういった仕組みなのだろうか。ユーロ通貨発足時も物価の高かったドイツが大きく犠牲を払ったという。その痛みを得ない分、高くとどまっているのか。人口が少なくとも通貨の安定が得られると信じているのだろうか。

 夜はラーメンを食べた。こちらでは大人気行列の出来るラーメン屋さんだ。値段はびっくりするほど高い。スープは旨いが麺はぼろぼろ。日本以外でラーメンを食べようという自体が間違っている。それは知っている。でも、食べたいのだ。
 
 デンマークでも自転車の利用率が高い。駅前の駐輪場、自転車専用レーン、レンタルバイクショップなど整備されている。北欧人は普通の自転車に乗っているのだが、なぜなのだろうか? ヘルメットをかぶって自転車に乗るのは。
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そして三角の旗を立てている。まさにイメージ通りなのだが・・・。 
[2008/07/07 05:47] | 世界一周旅行 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
[旅コラム]マリファナ=健康嗜好品
オランダではこの7月1日から建物の中、レストランやカフェなどで喫煙が禁止されたそうだ。友達からこれに関する面白い話を聞いた。オランダにはコーヒーショップという合法的にマリファナを吸える場所がある。しかし、禁止条例によってコーヒーショップでさえタバコは吸えなくなった。マリファナは良くて、タバコはダメなのだ。日本人としてはおかしく感じてしまう。

加えて、多くの人がマリファナだけ吸うとちょっと強すぎると感じるのでタバコを混ぜて巻くそうだ。タバコが禁止されたことによって、100%のマリファナを吸わなくてはならなくなった。タバコの肩を持つつもりはないが不思議な法律だ。マリファナは健康嗜好品なのだ。
[2008/07/07 05:42] | 旅コラム | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
[080706]Roterdam → Delft → Denhaag
 ロッテルダムは通常は無駄に大きい広場がある。友達曰く、普段使われていない広場でも週末のイベント時には見事に利用されるようだ。ロッテルダムはFIに出資しているING銀行のお膝元であり、街の大通りを使ってF1ショーすら行われるらしい。
駅の近くにはWest8設計の広場がある。ここには市民が自由に動かせるクレーン(照明)がある。

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正直言って無機質であまり気持ちのいい広場ではない。しかし、この広場はスケートボードのチャンピョンシップが行われる。この空間に[都会的な]ハーフパイプが設置されたとき、このデザインと空間が生きるだろう。

 Delft(デルフト)へ。自転車を借りて街を探索、目的地は郊外にある住宅開発地区だった。ここでは広大な敷地に街区ごとに異なる建築家が計画を行っている。全体の街路骨格などは平凡ではあるが余りあるオープンスペースと住民が街路沿いに植えた植栽で実に心地よい。安い材料を使ったローコスト建築群でありながら、建築計画と周囲環境とよってそれを感じさせない。特にMVRDVのカラフルな住宅群は人に使われることによって、魅力溢れる街区になっていた。

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 オランダは土を掘れば水が出る場所だ。住宅の周りに水路を配した計画として、ここちよい親水空間を作っていた。殆んど水位が変わらないのだろう。街中でもそうだが水際と住居に共にあった。
そんなに日本だとこんな水があれば、蚊がすごいだろうと思う。オランダも日本ほどではないにしろ蚊が多いようだ。ロッテルダムでさえ昨日はいくつも刺された。

 デンハーグにてOMA設計の地下トラム駅を見学。
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線路の上が駐車場、その上が道路という構成になっている。動線が様々に交錯する設計はOMAの得意とするところだ。駐車場の床に巧みに傾斜を作っている。駐車場のスラブは薄く、上部から吊る構造で魅惑的なシークエンスを生み出している。地下鉄の内部の照明のデザインも素晴らしい。ただ、正直なところ多大なお金を掛けてトラムを地下にする必要があったのか。無理をして効率の悪い線状の駐車場を作る必要があったのか。トラムは道路を通し、歩行者と共存させればよいし、駐車場は一部に集約したほうが台数も稼げるだろう。カッコいいデザインに目を奪われるが、対費用効果を考えると疑問が残るプロジェクトだ。



 夜行直通列車は満員で乗れず。デンハーグより7回列車を乗り換え、18時間かけてコペンハーゲンへ。
[2008/07/06 05:38] | 世界一周旅行 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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